旅行のホテル選び

旅行の計画を立てるときに一番重要なのはホテル選びだと思う。
ホテルの良し悪しで旅の印象はかなり違ってくる。実際ゆっくりくつろいで眠らないと
疲れは取りにくいし、翌日の行動に支障をきたす。
睡眠時間を確保するために我々に必要なのは静かな部屋と硬いベッドだ。バスルームはできればバスタブ付きいいが、一泊ぐらいならシャワーのみでもOK。ロケーションも大切である。公共交通利用の場合は駅から歩けて町の中心に近い所、レンタカーの
場合はホテルに駐車場があることが望ましい。
フランス国内旅行は基本的に6泊7日にしてゆっくりひとつの地方を回ることにして
いるが、1泊ずつは疲れるので、6泊を最初1泊、それから2泊、また1泊、そして2泊と振り分けている。6月の南西地方旅行の反省=歴史のある古い小さい町は道が入り組んでいて車の駐車が大変、ということで、レンタカーなら町の中心から少し離れた
ところを意識的に選んだ。また地方はお惣菜テイクアウトの店が少ないので、できればキッチン付きホテルを組み入れようと考えた。
その結果は大変うまくいった。

1泊目:アヴィニョン
夕方着、翌日には次の目的地へといういわゆるトランジット的な滞在だったので、便利で安いホテルを選んだ。
シャワーのみだったが、場所は良かった。特にTGV駅(ここからレンタカーを予約して
いた)へのバスが出る郵便局まで歩いて2分。
タクシーが簡単に停められない街中だったので、時間的にも経済的にも節約になった。しかし、メインストリートに面しているのでうるさい。夜はまだ良かったが、朝は夜が
明ける前からゴミ収集車や道路清掃車がすごい音を立てて通っていた。

部屋は日本式に言えば4階。とらが顔を出している。

Hotel Alizea  1泊1室62ユーロ
38 Cours JeanJaures, Avignon
Phone : +33 (0) 4.90.82.03.21

2〜3泊目:エクサン・プロヴァンス
ここでの主目的はオペラ。劇場から歩いて帰れるホテルも考えたが、街中ということは駐車難ということで、郊外のアパートホテルにした。このホテルはチェーンでパリにも
十数軒ある。昔、パリとバルセロナで泊まったことがあったので、システムは分かっている。歩いて2分のところにミニスーパーがあり、ミネラルウォーターをまず買い込んだ。
オペラは陽の落ちる9時半から。さっそく街の見学と駐車場リサーチにでかけた。劇場からすぐの駐車場をみつけ、一安心。ホテルに戻って、夕食は素麺をゆでた。素麺は簡単にできるし、さっぱりしていてフランス料理の間に食べるのに最適な日本食だ。
次の日の夕食もホテルで自炊。マルシェで買ってきた食材で料理し、足りない分は
テイクアウト。キッチン付きホテルのメリットを生かし切った。


Citadines Apart'hotel Aix Jas De Bouffan
4, Avenue Achille-Emperaire
Aix-en-Provence, 13090
2泊1室176ユーロ

4泊目:オランジュ。ここでのメインもオペラ。
小さな町だが町中は避けて町はずれのアメリカ系のホテルをとった。歩いても町の
中心まで30分といったところか。チェックイン後オペラチケットの受け取りと駐車場
リサーチに町まで行く。オペラはこの町唯一の観光スポットであるローマ古代劇場で
上演される。少し離れているが公共駐車場を見つけた。
しかし、この劇場は9000人も入るという。開始時間のかなり前にいけば駐車できても、帰りオペラが終わった後大混雑するのではないか?
ホテルに戻ると、オペラに行くのかと聞かれる。そうだというと、それならホテルから
プティ・トランがでるからそれに乗っていけばと言われる。往復6ユーロ、これで行くことに決めた。このあたりのサービスがアメリカ系ホテルだ。代金はプティ・トラン(いのは
チンチン電車と呼んでいた)の運転手に直接支払う。行きは30分おきに劇場まで発車しているが、帰りはどうなるのかと聞くと、大丈夫トランは4台あるから、1台が出発してもすぐ次が来るという。しかしそれを信じなかった我々はオペラが終わるとカーテン
コールもそこそこに脱兎のごとく乗り場に向かった。ほとんど一番乗りだった。そのあと次々に人々が乗り込んでくる。いっぱいになって発車しようとするが、乗り遅れた人
たちが騒いでいる。やはり次が待機している訳でなく、このトランが我々を送ってから
ピストン輸送をするらしい。このあたりがフランスである。

Park Inn by Radisson Orange
Route de Caderousse, Orange
Phone : +33 (0) 4.90.34.24.10
1泊1部屋159ユーロ

5〜6泊目:ゴルド。
リュブロン地方でゆっくり、というコンセプトでフランスの美しい村にも選ばれている
ゴルドとセナンク修道院の中間に位置し、星付きレストランのあるホテルを奮発した。離れになっていて静かだ。ヴォークリューズ山地を望むテラスでの食事。
この景色だけで料金分はあると思った。

ホテルのメインエントランス

はなれの玄関
Hotel Les Bories & Spa
Route de l'Abbaye de Senanque,Gordes
Phone : +33 (0) 4.90.72.00.51
2泊1部屋600ユーロ

ホテルは後に行くほどグレードアップしている。反対だったら少しわびしい思いを
するだろう。
最後のホテル2泊はちょっと高かったが、平均すると1泊166ユーロ、ひとり単位なら約80ユーロ、そこそこの値段ではないだろうか。(とら)