ピカソ美術館

3年前パリに住んでいた頃、ピカソ美術館は数年に渡る大改修中でついに訪れる
機会がなかった。
そんな訳で、パリに行ったらまずピカ美に行こう、と二人で言っていたのに、帰国まであと1週間を切った今日やっと実現した。
そんなに忙しかったハズもないのに今まで一体何をしていたんだろう?
しかも何故かトラとは行く日の折り合いがつかず、結局ここへは一人での来訪
となった。

改修前の入館料は7.5ユーロだったのに今や12.5ユーロ。
ルーブルやオルセー並の大美術館となった。

確かに地上4階地下1階と大きい。

12ユーロと20セント硬貨3枚を
出すと10セントのお釣りがないと言う。国立なのに信じられない!
お釣りはフランスに喜捨となった。

ピカソ!一周年記念展覧会」と銘打ったポスター。  
あまりに多くの作品展示なので以下はかなり偏った紹介となります。

入館してすぐの所にあった、いかにもピカソらしい
「女の頭部」 1955年 

「雄牛」 1946年

前年1945年からのデッサンも一挙展示。
どんどん捨象していく過程が分かって面白い。



「膝をかかえるジャクリーヌ」 1954  手塚治虫を連想させる。

これらのタッチはマンガに通じるものがある。


「椅子に座るオルガ」  1918年  最初の妻。素直な画風。

オルガのポートレート 1910年 

 実物の写真です。




スペイン内戦時の空爆を描いた大作「ゲルニカ」と同時代の、
「哀願する女」  1937年  

「泣く女」 1937年

「朝鮮の虐殺」 1951年  
この頃ピカソはすでに共産党に入っていた。
したがってここで非難している銃殺軍はアメリカだろう。


「山羊」  1950年   
籐籠とセラミックの壺などを組み合わせて創出。

こちらは油彩。



「女の胸像」 1937年  ブロンズや作陶も多く手掛けている。


「カンヌ湾」  1958年   
カンヌの特徴が凝縮されいるのがよく分かる。

抽象とは対象のコアへ一直線に迫り、そのエッセンスを余すことなく描きだす作業だと実感し、ピカソの偉大さにたっぷり浸りました。(いの)