友遠方より来るー5

大阪の友人T氏が出張でパリに立ち寄った。
彼は3週間ほどかけて西欧から東欧までの巡業の旅程の真ん中にパリを選んだ。
もちろん我々がいるからだが、ここでコインランドリーを使って溜まった洗濯物を一挙にクリーンにする魂胆だった。
午前中に懸案をスッキリさせて昼はフレンチ、鴨を食べたいとの希望に従い、我が
ダゲール街きっての予約しないと難しいレストランへ行った。

前夜予約する時カモはあるか、と聞くと、店のお姉さん曰く、今日はあったが明日のことは明日シェフに聞かないと分からない。この辺がフランス的サービス精神欠如の典型だ。

さて当日、メニュを見るとカモの文字があったのでひと安心。
前菜〜デザートまでの3コースで25ユーロ、前菜〜メインの2コースで20ユーロの
ランチメニュー。前菜、メインとも6〜7種類から選ぶ。
ザガット推奨の店のせいか英語のメニューが出てきた。しかし、よく理解できないのでなんだかんだ聞くと件のお姉さんは引っ込み、キッチンから引っ張ってきたのはなんと
日本人!ここにも修行中の若者がいた。
彼にいろいろ説明してもらい、すんなり注文できた。

T氏の前菜 カルパッチョ メロン、トマト、生チーズ添え

とらの前菜 サーモンマリネ クロカン(アーモンド入りビスケット)添え

いのの前菜 魚のスープ 修行中の若者が作りたてです、と薦めてくれた。

T氏のメイン カモのコンフィパルマ風 ローストダックがなかったのは残念。
 

付け合せはクルミとフォアグラを散らしたサラダ




とらのメイン タラ科の魚(Merlan)のグリル グリーンペッパーちらし     
海藻入りピューレ添え

いののメイン 何の魚か聞き忘れたがクリーム煮。
昔と違いバターを押さえた軽い仕上がりに満足。


1時を過ぎるとほぼ満席。



友人にゴチになり感謝でありました。お後がよろしいようで。(いの)

Les Petites Sorcieres
12, rue Liancourt, 75014

この日の午後は、自宅にいつも来てもらっている整体師に3人分お願いして、
T氏も夕食前にマッサージを受けた。それから夕食。
前の日に三ツ星レストランのシェフも買いに来るというダゲール街そばの肉屋で
シャトーブリアンステーキ用の肉を900グラム購入した。6時過ぎに肉を冷蔵庫から
出し、700グラム分切り分け、軽くたたいておいた。肉の調理はアメリカでの留学生
時代ステーキ屋で3年間アルバイトをしたというT氏の担当。まず、塩をぱらぱらと
振って30分ほど置く。それから塩をこそげ落として粒こしょうを振る。フライパンを
かんかんに熱して肉を焼き始める。外側にしっかり焼き目をつけ、赤ワインをかけ
ミディアム・レアのステーキが完成。私がステーキを焼く時よりダイナミックである。
男の料理だ。
外はカリカリ、中はジューシーで大変おいしかった。700グラムを3人でペロリと
たいらげた。観光には見向きもしなかったが、忙しい日程の中での休みの日としては、
洗濯、フランス料理、マッサージ、最後に自分で作るステーキと充実していたのでは
ないかと思う。一緒させてもらった我々もおいしい料理を昼・夜ともにご相伴して
楽しい一日でした。(とら)