ペルガモン博物館

市内を流れるシュプレー川と運河に囲まれているので博物館島と呼ばれる島というか中州がある。東京で言えば月島か霊岸島みたいなもので、狭い水路を橋で渡るだけ
なので島という意識は皆無である。この中州に5つの大きな博物館や美術館が密集しているので博物館島となったのだろう。昔来た時はピナコテークと呼ばれていたと記憶していたが...。

その折訪れ、ドイツのスケールの大きさと緻密さに驚いたのが
ペルガモン博物館であり、今回どうしても再訪したかった
場所である。


紀元前2世紀、小アジアのペルガモン(現在のトルコ)にあった祭壇を持ち帰り、博物館の中に復元したので館名の由来となった。
ともかく大きい。大股で登る石段の数は30を超えたと思う。これだけの大型建造物を分解、運搬し、屋内にきちっと再現した、という行為に恐れ入る。1864年に発見され、ドイツに持ち帰ったものである







全長100m以上に及ぶレリーフギリシャ神話のゼウスや神々と巨人族との戦いを
表したものだが、ヘレニズム彫刻というとギリシャルーブルに行こう、のイメージが強いが、収蔵品のスケールの大きさではパリはベルリンに負ける。

階段を登ったその上が神殿。その昔なら王と神官しか登壇できなかった神聖な場だ。

もうひとつ凄いのがバビロンの「イシュタール門」。
バビロニアの古都バビロンというと、衰えたとはいえ今でも存在するギリシャやエジプトより神秘的な感じがし、個人的には好みである。
そのバビロンの門を飾っていた装飾がここに再構築されている。


品のある青い地の彩釉煉瓦で動物たちが生き生きと
再現されている。紀元前6世紀のもの。 


この門に続くパレード用の通路の両側にはライオンの煉瓦装飾が並ぶ。
いかにも威風堂々としており、往時の繁栄ぶりを偲ばせる。

中近東関連はイスラム美術など他にもいろいろあるが、この二つを見るだけで充分
再訪の価値はあったと思う。(いの)