ルーアン

一日ぐらいはパリから離れて小旅行をしたいと思った。
北か南か……

前回のパリ滞在時、ノルマンディーとブルターニュ、大西洋の方には行かなかった。
ブルターニュは一泊旅行には遠いが、ノルマンディーは手ごろな距離だ。
ノルマンディーの中心地ルーアンにはだいぶ前に行ったことがあるが、全く観光しなかったという思い出がある。
そうだ、ルーアンを観光してそこを起点に海岸に行こうと、SNCF(仏国鉄)ショップに行って、パリ⇔ルーアンの切符を予約した。
ルーアンまでは約100キロ、パリからレンタカーという手もあるが、パリからの脱出は列車の方が楽で便利。ルーアン駅でレンタカーをして、そこから更に100キロほど
北のドービル、オンフルールのあたりへ行くことにした。
ノルマンディーといえば、ある人には第二次世界大戦のDデイ、ある人にはサラブレッドのふるさと、ある人には世界遺産モンサンミシェルだが、とらにとっては古都ルーアン

パリはサン・ラザール駅から出発。

電光掲示板に列車の乗車ホーム情報が表示されなかった
ので、もう少しで乗り遅れるところだった。


無事、Rouen Rive Droite(右岸)駅に到着。
これはセーヌ川の右岸にあるという意味だそうだ。

まず荷物を預けよう、ホテルは大聖堂からも近いはずとタクシーで旧市街に向かう。


ホテルには12時半頃着く。チェックイン時間より3時間ぐらい
早かったのに、部屋に入れてくれた。
ここもブッキングドットコムで予約。一泊60ユーロだがバスタブ付きと安かったので頼んだが、カフェの上の小さな2つ星ホテルで
エレベータはなく4階の部屋まで階段だった。

早速、地図をもらい、大聖堂へ。


モネの、時間によって移り変わる大聖堂を描いた連作で名高い。
ゴシック様式の大聖堂の代表的なものはシャルトルとランスといわれているが、ここルーアンの大聖堂も厳かな雰囲気だ。華やかなシャルトル、威厳あるランスと比べると質素だがより宗教性を感じる。

中世の面影の残る旧市街を歩く。独特の木組みの家はアルザス地方にも多いが、
ここでもドイツ風を感じる。


ルーアン観光のもう一つの目玉、ジャンヌ・ダルク終焉の地へ向かう。

ジャンヌは言わずと知れた「ラ・ピュセル」(乙女)と呼ばれたフランス女性中
一番の有名人。(マリー・アントワネットはフランス人ではありません)
1412年に生まれたジャンヌは12歳で神の声を聞き、16歳で当時王太子だった
シャルル7世に面会、1429年にオルレアンを解放、1431年イギリス占領下の
ルーアンで火刑に処せられた。19歳だった。

ジャンヌ・ダルク教会はジャンヌが処刑された旧市場広場に1979年に建てられた比較的新しい建物。
旧市場の面影もとどめており、教会と市場が同じ屋根の下にある。

ジャンヌ刑死の場所。
花に囲まれている。




教会が建てられる前からあったデル・サルト制作のジャンヌ像は両手を
縛られている。

翌日チェックアウト前、ホテルの窓から撮った朝の裁判所。
もう8時なのにまだほの暗く、灯がともっていた。(とら)