ジル

ルーアンは確かに右岸側にあった。
画面奥がセーヌの上流。ボートの側に旧市街がある。

その河岸に今宵7時半に予約したディナーの店、
ミシェラン2つ星の「ジル」がある。
メニュー検討の結果、いろいろお試し
7皿セットのコースにした。

食前酒キールを飲みながら待つこと暫し、一口サイズのアミューズが並ぶ。
その間に店のオーナーと思しきマダムがボン・ソワールと各テーブルを
挨拶に廻っていた。

まず一皿め、もうスイーツかよ、と見まがうが、
小エビに林檎の酸味を合わせたムース。

続いてフォアグラ、トースト添え。

三皿めはオマールエビとラビオリのコンソメ仕立て。

8時半を過ぎる頃、満席となった。

隣は男1、女3の若者中国人グループ。

こんな店に若い男女だけで来る
なんてちょっと違和感を覚える。
太子党か。しかもスマホで互いを
撮りあって喜んでいる。
ワインも頼まず水だけでだ。

我々はこの辺でシャブリから
シャトーヌフ・デュ・パップの
ルージュへ切り替える。

四皿めはスズキとセップ茸のソテー。

五皿めは鹿のステーキ、彩り野菜添え。今までに食したシカとは全く違う!
バンビかと思う柔らかさ、そしてソースがさっぱりしていて、かつ甘くない。

六皿めはチーズ。選ぶのに困る、多種多様、豊富な種類だ。

とらはノルマンディ特産を主に、いのは山羊をメインにした。

最後はデザート。ここからがフランス料理の真骨頂。

とても七皿めとは言えそうもない品数が並ぶ。

最後に出てきたのがミルフィーユ、これがデザートのメインのようだ。

ナイフを一刀入れただけでハラハラと崩れ落ちた。「千枚重なった葉」を実感する。

やっと何とか平らげ、消化を助けるカルバドスを飲む。

リンゴ酒の本場だけあって6〜8本の銘柄から選んだ。

だいぶ酔いもまわり判然としないが、
一つは軽め、一つは重めで度数も高い
ヘビー級だったことを覚えている。


これでお終い、と思ったらオマケの一皿が出てきたのにはさすがに驚いた。
ほとんど手が出ず、内容は不明です。

店を出たのは10時半近く。その間に雨が降ったらしく路面は光っていた。

古都の夜は早いのか人はほとんど歩いておらず、大聖堂はなぜか霞んでいた。

Gill
8 quai de la Bourse, 76000 Rouen
02-3571-1614
www.gill.fr

コースはこれだけ食べて一人前98ユーロ。
ワイン等飲み物を加え、支払合計298ユーロでした。(いの)