初めてのこと

・冬の東京を思わせる雲一つない晴天が続いている。暗い曇天に慣れていたので何か変な気がする。こんなに晴天が続くのは今年初めてだ。青空にへんぽんとひるがえる三色旗が眩しい。

・晴天続きのせいで連日気温は下がり続け、今朝はマイナス3度。やっと冬らしい凛とした寒さになってきた。ねずみ山公園の池に今冬初めて薄氷が張った。

・朝9時過ぎのねずみ山の頂上は公園の外の8階建の建物と目の高さがほぼ同じになる。その建物の頭から顔を出したばかりの朝日に向かって歩いて行くと非常に眩しい。あたかも大型サーチライトから強烈な光を浴びせられているかのようだ。眼と水平方向から強い陽光を浴びせられるというのは初めての経験だ。

日本での海の水平線から昇る日の出はこれほど広範囲に眩しさをまき散らしはしない。そして太陽と水平方向で対峙するのもほんの僅かな時間で、陽はどんどん力強く高みに昇って行ってしまう。こちらの朝日は公園を3周(=約50分)してもまだちょっと高い位置、仰角20度程度に這い上っただけで、だらだらと建物の頂上から10センチ上空に留まっている。しかしいつまでもまぶしい。輝度だけが強く、寒さのせいか暖かさはほとんど感じない。

・思いかえせば、昔駐在員だった頃は朝は暗い内から会社だった。太陽をゆっくり見る機会もなかったろうが、それ以上に自然に眼をむける心の余裕もなかったのかも知れない。リタイヤ生活3年だが改めて、あるいは初めて気付くことが多くちょっと新鮮な気持ちになる。新しい土地に住みついた効果か、好奇心が旺盛になり若返ったのかも?

たいした話ではないが一人合点しております。(いの)