エルメスのバーゲン

パリに着いてから一か月弱、やっと体調も戻ってきたので、名にしおうエルメスのバーゲンに行ってきました。

パリのバーゲン(ソルド)は1月11日から始まっており、SOLDの札があちこちで見かけられますが、エルメスのソルドは1月18日から21日までPalais des congres (パレ・デ・コングレ)でおこなわれるとの未確認情報を得て、1年後にはもうパリにいない身としてはどんなもんか出かけてみました。9時開始で7時半にはもう行列と聞いていたので、昼ご飯を食べてからなら少しはすいているのではと思い、ポルトマイヨーに着いたのが2時半、日本人が会場めざして殺到しているのではという予想には反して、普通の人の流れ、会場がどこかは「HERMES」という表示があったのですぐわかり、1F(日本式だと2F)の会場入り口に着いたらびっくり、長蛇の列でした。

まあ1時間並んでみようと列の最後につきます。いろんな人が並んでいます。ひまなので数えてみたところ、折りたたまれている往復の列に74人、うち女が56人、男が18人(けっこう男性もいるのでびっくり):東洋系が24人、西洋系が50人、50歳以上と推定される年配者は24人、それ以下が50人、日本人の若い女性が押しかけているということはなく、フランス人の年配のマダムがけっこう多かったです。しかしそれらの人々はお洒落な日本の婦人誌にでている「フランスのマダム」といった感じでは全くなく、着ているものアクセサリーも普通で特にセンスがいいとは感じられない。日本人より中国人のグループがめだちます。なかに全く場違いな13歳ぐらいのフランス人の少年3名のグループあり、バーゲン客のふところをねらう不良少年かと、こいつらには注意とノート。

などと観察しているうちに1時間たち、のろのろですがけっこう列は進んでおり、もう少しで入り口まで直線距離に、後ろには長い列ができており、ここまで来たら入るしかないと待つことにしました。やっと入場できたのは4時半過ぎ、透明なプラスティックバッグを渡され、エルメスの製品を持っている人はここで申告、中に入るとまた行列が! これは目玉商品であるスカーフ売り場への行列です。とりあえず全体を把握しようと会場をひとめぐり、妹から時計の値段を調べるようにとの要請があったので時計・アクセサリーを探したところ、そういった高額商品はいっさいナシ。ハンドバッグもほとんどナシ。すいている売り場は、帽子、靴、洋服、コート、セーターなど。ネクタイ売り場も比較的すいていて一本83ユーロ=約8300円と安いので一本バッグに入れ、これだけ並んでこれしか買わないのはと、スカーフの列に並ぶことにしました。

今まで混乱はなくみんなじっと我慢して並んでいましたが、スカーフの列には混乱が! 東欧系と思われる年配の女性が割り込もうとしているのを見つけた中国女性が猛反撃「この人が割り込みです!」的なフランス語でシャウト。たくさん配置されているエルメス側のハンサムな黒人店員に排除されていました。隣りを見るといつのまにか少年3人組がおとなしく並んでいます。ひとりはバッグにタオルを入れている、40分ほど並んで売り場へアクセスできるようになったら、少年たちは一番小さなスカーフ売り場へ、不良少年ではなく、彼女かお母さんへのプレゼントを買おうとしていた純情少年だったようです。

私は今年の新製品、カシミヤと絹の大判スカーフをゲット。820ユーロのものが469ユーロになっており、日本で買うとたぶん10万円ぐらいと思えば半額と自分を納得させ購入しました。たくさん買っている人たちに比べたらささやかな買い物でした。着物にも羽織れるタイプです。

支払いを終えて会場を出るともう6時過ぎ、しかしまた行列が! クロークでコートを受け取る人の列です。ここで15分ほど並んで、無事コートを受け取りましたが、カウンターの隣では預けたジャケットが出てこないと呆然とする日本人女性がいました。 (とら)