3月第一日曜

3月最初の日曜日、駅に向かう道端に春の息吹があった。

小さな木が桃に似た花をつけていた。

毎月第一日曜、パリの主要公立美術館、博物館はタダである。
大美術館は混むだろうから、と少し辺鄙な所にあるピカソ美術館へひとり出かけた。

北駅行のバスで行くが途中のシャトレでストップ、皆下された。日曜に多い交通規制のためだ。嫌な予感がした。
たいした距離でもないので歩いて行く。着いてみると「改修中 2013年春まで閉館」と固く閉まった扉に大書してある。
えー、ということは今年末に帰る我とここのピカソとは縁がなかったのか。

気を取り直し、ポンピドーセンターの国立近代美術館へ、と方向転換。しかし行ってみると大きなセンタービルのまわりを取り巻くようにずらっと大行列。とても無理。あきらめて、小説でも買おうかとオペラのブッックオフへ徒歩で行くが、ここは日曜閉店。
今日はついてない。腹も減った。

ちょうど12時前なのでラーメンの老舗ヒグマへ入った。
平日の昼時は大行列ができる店だ。
日本人観光客が少ない時季のせいかフランス人ばかり。
となりの太った姉ちゃんは餃子2皿とコーラをペロリ。そのあと牛丼。紅生姜を器用に丼にまぶし食べていた。
こちらは数か月食べていなかった念願のカツ丼と餃子+ビール。16.5ユーロ。
帰りに近くのカフェのブランチの値段を見て、なぜ若いフランス人がヒグマに来るのかが分かった気がした。
この周辺のカフェでのブランチは18から21ユーロ。飲み物を入れると25ユーロ位か。ヒグマでは20ユーロはしない。

すぐそばにある、東京で有名な大勝軒と同名のこの店は空いていた。
値段が違うのか味が違うのかはその内調査します。(いの)