ヴィラ・コンドゥルメール

ベニスでは広い部屋はとても高いので泊まれない、それに小さい部屋の方がいかにもベニスの宿という感じだったが、イタリア本土に戻り、すこしゆったりと昔の貴族の別荘を改装したヴィラホテルに泊まることにした。
空港から直線で北へ15キロくらいということなので一般道で行くことにした。空港を出ると道は二股に分かれる。表示されている町の名前ではどちらへ行けばいいか分からない。北と思われる方へ右折した。しばらく行くと道は次第に東へ曲がっていく。北=左への道はどこまで行ってもない。まあ適当に左へ曲がればいいさ、とカーナビ替わりのスマホを一生懸命見ながら、田園に点在する知らない村々に入り込んで行った。
そしてどんどん深みにはまっていった。
結局1時間半かかってヴィラに到着した。

13世紀に興ったベニスの貴族コンドゥルメール家の別荘で、現在の建物は17世紀に建てられたベネト(ベニス)建築方式の傑作だそうだ。


石の彫刻と緑におおわれた広い敷地は、大観光地・喧噪のベニスから来るとほっとするものがある。


このホテルは1987年ベニス・サミットの折、レーガン大統領夫妻が泊まったことで名を売った。広い敷地にぽつんと一軒だけの立地。セキュリティ確保にはうってつけだったのだろう。


ホテル内は綾辻行人の「館シリーズ」を思わせるようなレイアウト。客室は2階と3階にあるが、2階中央はボールルーム、上は吹き抜けだ。

四隅に部屋があり、3階の東南角の部屋に案内される。全部で8室であるが、それぞれ角部屋で独立しており、ドアを閉めれば完全密室である。でも鍵はボロかった。


ロビーは由緒ありげな壁画でいっぱいだ。
そのひとつ、この絵の左のあごひげの人物はヴェルディ
説明によると、ベニスのフェニーチェ劇場での「椿姫」初日で大ブーイングを受けた失意のヴェルディが休養のためこの館へ到着した時の図。



ここで2か月滞在し、傷心を癒したとか。


ヴェルディが使用したピアノ。
とらが弾いてみたら音がおかしい。調律はしてないようだ。


アールヌボー調の燭台。
日本の家屋には絶対マッチしない。



夕食はホテルのレストランで野菜中心に選んだ。ほとんど客がいないので森閑としている。一皿をふたりでシェアしたいと伝えると、最初からとりわけてサーブしてくれた。

前菜;焼野菜の取り合わせ

海老とブロッコリのスパゲッティ



白身魚のソテー 


アイスケーキ

初めて見る微炭酸水

ベネトの地ワイン2種を飲み比べた






ホテルの敷地も広大だが、その周囲は27ホールのゴルフ場だった。手引きカートでのんびりラウンドするようだ。

平坦だが各ホールは樹木と池にセパレートされ、距離もある。
遠くに雪を頂くアルプスが見えた。(いの)

Villa Condulmer
Zerman di Mongliano Veneto
電話 041-457100