パリのゴミ事情

パリの路上は犬の糞とゴミが散乱し汚い、と昔は言われていたが
今はだいぶよくなった。

路上には多くのゴミ入れが設置されている。
数百メートル
単位だ。
中が見えるように半透明の
ビニール袋だ。




サリン事件以来、東京ではゴミ箱が撤去されたが、危険物投入を防ぐような工夫のあるゴミ入れは地下鉄に少数見かけるが、道路上には全く設置されていない。
それにもかかわらず路上にゴミが散乱していないのは不思議ともいえる。

枠の緑色はいわゆる一般ゴミ入れ。
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黄色はリサイクルゴミ入れ。

こちらのリサイクル対象は;
新聞、雑誌、段ボール、液体容器全般(アルミやメタル缶、紙や樹脂製容器)やペットボトル、

果ては腕時計から小型電気製品などまで。これら全てを一切合切ドッサリ入れる。
後処理分別は手作業だそうで大変だろうな。
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路上にある空瓶入れ。高さ2メートル弱、四方に穴があり投げ入れる。
ビンの大半はワイン瓶だろうが、ドイツのような
透明・緑・茶色といった色分けはない。

回収はクレーンを積んだダンプ車がこのボックス自体を懸垂し、車の台箱上に水平移動、するとボックスの底が開きドドー、ガシャガシャと豪快に積み込んでいく。

アパートの地下に、一般ゴミ、リサイクルゴミ、ビン、の3種類の大型バケツがあり、家庭のゴミは四六時中いつでも捨てられる。
一般ゴミ回収は土日以外は毎日来る。

これは日本に比べてすごい。生ごみのくさった匂いはない。

リサイクルゴミは週に一回なのでアパートのビン用バケツが満杯になることもあるが、その場合路上のビン入れに出がけに投げ込んでおけばいい。
年明けの廃棄クリスマスツリーの回収はなんと、日曜に来ていた。

この大型バケツには車がついているので移動は楽。ゴミ回収車とバケツは設計が連動しており、ほぼ自動的にゴミは車内へ取り込まれるので作業員には余裕が感じられる。

路上のゴミ拾いや水洗洗浄車も朝方よく見かける。たまにストで話題になるが、普段はしっかり働いている印象だ。

このように路上に生ごみが放置されない仕組みのため、カラスのエサがない。道路のゴミ入れもフニャフニャのビニール袋が中空にぶら下がっているため翼のあるカラスは入り込めない。衛生的で合理的な仕組みだ。
カラスが生ごみをあさり、街中を跋扈しているわが町東京を見ると、都知事はカラス
撲滅作戦と名前はものものしいが、実質はモグラ叩きを続けているだけで、抜本的な政策が足りないのではないか。

しかし、減ってきているとはいえパリでの犬の糞の路上放置状態はあいかわらず
続いている。 「上を向いて歩こう」とすると、大変やばいことになる。
こうして見てくると、個人のマナーは日本の方が上だが、積み上げていく仕組み作り
= 構想力というか政治力はこちらの方が上かも知れない。 (いの)