1333558861**[観光]パレロワイヤル

パレ・ロワイヤルは私にとってはずーっと地下鉄の駅名だった。
駅名のなかには Clignancourt のように発音が分からないものが多いが、その中で Palais Royal は比較的発音しやすく覚えやすい。
フォーブル・サントノーレ通りで買い物しまくっていたバブルのころによくここから地下鉄に乗ったものである。
フランス革命史でも革命派が集まって不穏なパンフレットを配ったり、有名な「武器を
とれ!」の演説がされたところとして有名であるが、地下鉄乗り場しか知らなかった
私は、いったいこの狭い道のどこに人々が集まっていたのか、と不思議に思っていた。

日本食料品店の多いオペラ通りの東側をうろうろしていると、こちらへ行けばパレ・
ロワイヤルとの表示がある。
地下鉄の駅の方とは少し方角がずれているなとは思ったが行ってみると、城壁に囲まれたなかに長方形の広い内庭があったのにびっくり。
ここに集合していたのかとガッテン。
木蓮が満開で、花壇にはチューリップが植えられている。
この日は晴天、気温は18度とすがすがしい。
並木を歩く人たちの中には半袖の人もいる。
噴水の水が涼しげに感じられる。

新緑のマロニエの並木が美しい。




直訳すれば王宮だが、ブルボン家の王たちは近くのルーブルやベルサイユに居住しており、ここには分家筋のオルレアン家の王族が住んでいたという。革命時には従兄弟のルイ16世死刑に賛成の票を入れたオルレアン公はこの分家の人だが、彼はある意味自由な精神の持ち主で、王宮の庭を開放し、庭園を囲むように借家を建ててカフェなどに貸していたということである。庶民、芸人、そして夜になると世界で一番古い職業の淑女たちも集まってワイワイやっていたらしいが、今ではお昼時バケットやテイクアウトのお弁当を食べる若者たちでいっぱいである。ネクタイを締めた社用族が席をしめる高級カフェも一方にあり、陽光の下、老若男女、白人・黄色人種・黒人、貧しい人も富める人も等しく春を楽しんでいた。(とら)


   Jardin du Palais Royal