1333733998**[観光]パンテオン

パルテノンは見るからに荘厳で、本家ローマのパンテオンより大きく立派だ。
大ドームとコリント式の円柱を持つこの建物はバスチーユ監獄占拠の年に完成した。
本来は王家の教会として建立されたのだが、時代は革命へ大きく動き、結局偉人たちの遺骨を納める廟堂となった。
パリを代表する観光名所である。

正面の円柱の上の彫刻は、中央に自由の女神、左に市民たち、右にナポレオンと
その軍隊という構図だ。

半円球のドームは広いせいか寒々しい感じがした。周囲の壁には多くの絵画が
飾られている。

496年フランク王国が異教徒アレマンニ族(ゲルマン)を破り、アルザス、ロレーヌ、
ファルツを奪取し、今日のフランスの基礎を築いた「トルビヤックの戦い」の絵。
天使も剣を手に敵に向かっているのには驚いた。

 
ジャンヌ・ダルクの物語の絵は3枚あり、
一枚目が羊飼い時代、
2枚目が戦う乙女、
3枚目がこれ、ルーアンでの火あぶりの絵である。

地下の墓所には多くのフランスの偉人たちが眠っている。入口には
ボルテール
ルソー 




奥の回廊の両脇には、ヴィクトル・ユーゴーエミール・ゾラの他、政治家、将軍、
枢機卿、学者やレジスタンスの闘士ジャック・ムーランの墓碑もあった。
ポーランド人であるマリー・キュリーもここに埋葬されている。
アメリカ人の作家がジョークで、もし今キュリー夫人が生きていたら、きっと十分な研究費と最新の環境を提供できるアメリカで研究生活を送ることができただろうが、死後
パンテオンに埋葬されることだけはない、と書いていたほど格式の高い墓所である。

暗いクリプトから外へ出るとまぶしい。遠くにリュクサンプール公園と
エッフェル塔が遠望できる。
日本には靖国神社はあるが、
国のために尽くした文人・学者・政治家などの
文民を我々が
偲ぶ施設がないのは残念だ。
 
リュクサンプール公園の入口から振り返ると、パンテオンは実に
気高く堂々として見えた。(いの)

Pantheon