メーデー in パリ

メーデー5月1日、フランスは国民の祝日だ。朝の道路は閑散としていた。

ところが昼近くになるとパリの街は燃えてきた。
労働者のデモと、大統領選の決着をつけるイベントが同時に発生していたからだ。

まず先の選挙で6.4百万票、3位となった極右のおばさんル・パンが、同じ右サイドのサルコジを応援するか、の去就を明らかにすると約束したメーデー当日、彼女は白票を投じると演説。政治的には分からないでもないが、彼女はそんなヒトではないと勝手に思っていた人々(いののことだが)はがっかりした。

彼女の演説会場から1キロほどのエッフェル塔を見下ろすトロカデロ広場でサルコジの演説を準備する場面にたまたま行きあたった。
知人夫妻をシャイヨー宮のテラスへ案内しようとしていたのだが立ち入り禁止だ。厳重な警備で、メトロの入り口も規制されている。景気のいい音楽が重低音かつ大音量で鳴り響く。この辺の西側はパリ有数の高級住宅地域だが、騒音防止条例とかはないのだろうか?
後で知った報道によると、会場に20万人を動員した(あの広場にそれだけの人数は
入らないと思うが)サルコジはル・パンの票を意識してか「金融資本主義からアントロ
プレナー資本主義へ新フランスモデルを作ろう」という訳の分からないというかイメージだけで意味のない空疎な演説をした。彼が大統領と呼ばれるのもあと5日だけかも
知れない。

対するオランドはパリではなく中部都市ナヴァールで演説したが、リードを広げ6〜10ポイント差をつけたとの直近の予想のせいかテレビで見る表情には余裕が感じらる。「私は今や社会党の候補ではない。総左翼の代表だ」とミエを切ったのにそれが表れている。つまり左翼は大同団結、右翼は分裂投票いうことになるのだろう。

ところでデモ、demonstration とは仏語では実演・集会の意で、日本語でいうデモ
行進は manifestation だと知ったのが今日の収穫だった。

ゴミ回収車も車列を連ねてマニフェスト




また今日はスズランの花売りが街角にたくさん出ていた。フランスでは愛する人に一年の幸せを祈ってスズランを送る日だそうだ。
メトロで老年の男性が2.5ユーロでスズランを買い求めていた。それを目撃して、一緒にいた知人夫人から催促だか恫喝を受けながらも馬耳東風、フランス人に追従する
ことなく独自性を貫いた知人はさすが日本男児!なのか、それともただ単に小銭も持っていなかったのか〜〜。(いの)