空から菜の花

タクシーでニース空港へ海岸沿いの道を走ると向こうに雪を被ったイタリアアルプスが見えた。イタリアが近い。

運転手によると、空港手前の川が昔はイタリアとの国境だったそうだ。
後で調べてみると、ニースはサルディニア王家(旧サヴォイ公家)の領土、つまり今の
イタリアの一部だったが1860年サルディニア王家はニースをフランスに割譲する。
イタリア統一の為、オーストリアのハプスブルグ家からの圧力に対抗し、ナポレオン
三世のフランスの協力を必要としていたサルディニア王国は、その協力の代償として
ニースを差し出したということらしい。
バスに乗り込んできた老夫婦がドウではなくドゥエと言って切符を買っていたのを奇異に感じていたがこれで納得がいった。
イタリアレストランやイタリア惣菜店も多く目に付いていたが、カンヌにはイタリア系の人がいまだに多く住んでいるようだ。
そういえばイタリア統一の英雄ガリバルディはニース生まれだ。

ニース空港は意外にも国際空港だった。
税関や免税店もあった。



パリまでの飛行時間は約90分。東京から九州へ行く距離か。

着陸態勢に入ると菜の花畑がはっきり見えてきた。

次第に高度を下げていく。
   
 
シャルルドゴール空港着陸30秒前。

パリはまだまだ寒い。
初夏から早春に戻ったような感覚だった。
(いの)