フランス 大統領選挙ー3

5月6日、日曜の大統領選挙は夜の8時に投票が締め切られた。
9時少し前にテレビをつけたらもうホランドの勝利スピーチが始まっていた。
52対48、4ポイント差での勝利。フランスの出口調査の精度恐るべし、というか、
ちょっと早すぎるのに唖然とした。

彼は中部都市チュールでの勝利宣言のあと、パリに飛び、バスチーユ広場に集まる
社会党支持者と勝利を祝うという。
それってどんなに早くても深夜12時頃になり、すると地下鉄の最終は確か0時45分頃だからサポーター達は帰れないのでは、と余計な心配をした。

翌月曜の朝、アジア市場で株が下がり、円ユーロも103円台になったと報じていた。案の定である。
円高ユーロ安は円からユーロに換えて生活している我々から見ると一見歓迎だが、
日本で多少持つ株が下がるのは困る、という矛盾した状態にある。

ホランドは窮乏生活は終わりだ、私は若者フランスの大統領だ、と演説したらしい。
アジ演説ならそれでいいが、新大統領の約束としては聞き捨てならない。
サルコジも最初は成長を唱えて大統領になったが、欧州財政危機で緊縮政策に変更せざるを得なかった、という経緯がある。
成長できるものなら誰でもそうした方がいいに決まっている。国が財政投融資をすれば成長できる時代ではないのだ。
ギリシャの議会選挙の結果と合わせて、これでユーロは当分揺れそうだ。というか、
ユーロの終わりの始まりかも知れない。

ホランドは5月中には大統領になる。6月にはフランス議会選挙がある。
ドイツのメルケル首相との初会見はいつだろうか。独仏協調は続けられるのか?
「第二の鉄の女」メルケルが折れるとは思えない。
勢いに乗ったホランドは妥協できない。よって立ち合いは突っ張り合いになりそうな気がする。その後両者がっぷり四つとなり、さて次の手は?
やはり欧州財政危機は続く。メンツをかけた駆け引きが見ものだ。
これぞ政治ではある、が経済はどうなる。(いの)