レバノン料理

前日、生ガキを食べたいというS+F夫妻のためにオデオンのカフェに生ガキはあるかと確認してから予約したにもかかわらず、行ってみると生ガキは売り切れだった。
今日こそ希望の料理を、と和食やアルザス料理の店に電話したが、5月1日は国民の祝日のため全部休んでいる。

パリにはレバノン内戦から逃れてきた人が多く住んでおり、一つの大きな食べ物の
ジャンルを形成している。レバノン料理を食べてみたいとふたりが言っていたのを思い出し、ガイドブックで推薦されていたエッフェル塔のそばの店を予約した。

午前中、5月1日休みとは書いてなかったカタコンベに行く予定にしていたが、9時半に並ぼうとしていたふたりから電話が入り、白い紙が貼られていて本日は休業とかかれているということだ。幸い天候はまたもや予報に反して晴れてきたので、エッフェル塔凱旋門に「いの」が案内した(「メーデー in パリ」を見てね)。最寄りの地下鉄(高架線だが)の Dupleix で12時過ぎに待ち合わせをした。

レバノン料理は以前ドバイで食べたことがある「いの」を除いてみんな初めてである。

テーブルにはすでにつきだしの漬物の皿がおかれている。

まず、ビールが飲みたいと女主人に声をかけると、「ハイハイ、注文はみんなまとめて
してね」的な言葉で一蹴される。
この店は前菜の盛り合わせ「メッツェ」が名物である。英語のメニュを渡されるが、馴染のない料理名なのでわからない。いのをのぞく3人は羊肉が苦手、冷たい前菜と温かい前菜の盛り合わせ2人前を頼んで、メインを2人前頼もうではないかという方針が
決まるまで5分ぐらい、女主人が「ご注文まだですか」と寄ってくる。
S氏がこういうものが食べたいのだがと希望を述べると、その3倍ぐらいの言葉が返ってくる。私に任せなさいと言っている様だ。とらが「羊は苦手、メニュの写真にあるコロッケのようなものが食べたい」と言うとその4倍ぐらいの言葉で「うちの前菜盛り合わせは好きなものを入れられる、これを外してあれを入れればOKだ」と返ってくる。ふたりは女主人=レバノンオバの迫力に圧倒される。一言いえば3倍ぐらいの言葉が返ってくるのでもうこのオバの仕切り通りにしようとあきらめる。

ずら〜っと並んだ前菜盛り合わせ

フンムス = ひよこ豆ペーストとヨーグルトを混ぜたベースにタヒーニなどの様々な
香辛料で味を替えている三皿。

ピタパンという西欧のクレープとインドのナンの中間(まさに
中東!)みたいな薄焼きパンの中が中空になっていてそこに好きな具を入れて一緒に食べる。

サラダ2種。トマトサラダを和えている香草がさわやかな味。

温かい前菜3種:ひよこ豆のコロッケ、鶏の手羽、揚げ団子(ひき肉は羊の疑いあり)

ワインを頼もうとレバノンオバを探すが見当たらない。これ幸いとおとなしそうな外見のレバノンオジを呼び止める。しかし見かけに反してレバノンオジもなかなかの強者で
こちらの言うことに耳を傾けず自分の意見を喋り続ける。「あのおばさんと一緒に暮らしているとこうならざるを得ないんだよ」というS氏の言葉に納得。
レバノン産白ワインを頼むだけでもひと苦労だ。

メインは鶏もも肉のロースト、付け合せはワイルドライスにそっくりのご飯。

デザートは練り菓子・焼き菓子の盛り合わせ。
見た目より甘くなく香料を効かせてありサクサク系で後を引く。

休んでいる店が多いせいか店はけっこう繁盛している。
やはり中東系の家族連れが目立つ。


ショーケースにはテイクアウト用のお惣菜が並べられている。
野菜料理が多く、ベジタリアンに人気だとか。


午後の部、ふたりはメーデーのパリを自由に楽しみたいというので、翌朝は青空市に行って、そこで買ったものを家で料理して夕食というスケジュールを確認して別れた。(とら)

Feyrouz
8, rue de Lourmel, 75015 Paris
tel:01-45 78 07 02