春の並木道

郊外や公園に行かなくても、街中で季節を教えてくれるのは並木道である。パリの
道路は道幅が広い。
我がアパルトマンの前の通りは住宅街でメインな通りではないが、中央に散歩道風の広い歩道、左右に2車線、一番外側にまた歩道がある。こういった道路には10メートルはあろうかと思われる並木が植えてある。通りによって植えてある樹が違う。
プラタナスが一番多く、マロニエ、アカシヤの順らしい。春分を過ぎジェルミナル(芽月)に入ったころからうっすらと色づいてきた樹々はプレリアル(牧草月)に入った今、強く
なってきた日差しをさえぎる立派な緑のパラソルとなった。

ルネ・コティ通りのプラタナス並木、5月27日現在

ジェルミナルのころ、日差しも弱い

冬中枯れ木にずっと残っていた実の横から芽がでてきたころ

シャンゼリゼの並木もプラタナス

マロニエと言えばパリというイメージの樹だが、花のつぼみかと思うような芽から小さな葉が現れ、あっというまに大きな葉が繁り、花が咲いた。花期は長く1か月あまりも咲き続けていただろうか。

ジェルミナルのころの芽

白い花が先に咲き、紅い花は一月近く遅れて咲いた。
白い花のみの並木の方が多い。

紅い花だけの並木はシテ島

カフェ・フーケ横、ジョルジュ・サンク通りのマロニエは紅白混合

アカシアが一番遅かった。やっと葉が出そろい、花が咲いたばかりだ。

4月半ばのアカシヤ、まだ枯れ木?

5月も半ば過ぎてからやっと葉が繁り始めた。
いつ花が咲くのか楽しみにしていたが、いつまでまっても咲かない。
やっと咲いている樹を何本か見つけたが、まだ花をつけない樹も多い。
これから咲くのだろうか?

日本の並木といえばイチョウだが、こちらではほとんど見かけない。
ポプラ並木は郊外や公園にはあるが、街中にはない。
イタリア広場には紫の花がきれいな桐がまとまって植えてあった。
花の咲く華やかな季節が終わって、秋の枯葉の時まで、並木道は涼やかな日陰を
作ってくれている。(とら)