ルテティアの円形劇場

パリはローマ時代ルテティアと呼ばれていた。
初めてこの地名が登場するのはジュリアス・シーザーの「ガリア戦記」の中である。
ローマの遺跡で現在パリに残っているのはクリュニー中世美術館で見られる浴場跡とここのアレーナ(円形劇場)のふたつだけだそうだ。
19世紀後半市街地整理で発見され1920年代に修復され現在の公園となった。

メトロ7号線 Jussieu 下車、徒歩3分ほどで公園の入口に着く。
 ← この公園の由来のプレート。
公園への通路にはローマ時代を
思わせる石積み壁。
観光客は我々以外に一組だけ。
超マイナーな観光地である。

ここはサーカス、劇の上演、剣闘士の試合、とマルチな使い方をされたらしい。
ガリアという田舎ならでは、ということか。
この入口から剣闘士が入場したのだろうか。
それはローマ人? ガリア人? ゲルマン人

アレーナといえば、ローマのコロッセオを思い浮かべるが、
ここの劇場はいかにもしょぼい。
劇場は35列 15,000人収容とはローマと較べると三分の一ぐらいの規模か。
ふとパリ・オペラ座を見学したバンコク駐在のジャーナリストS氏の感想
ハノイオペラ座とは比較にならない」を思い出す。
パリもルテティア時代はローマの植民地だったわけだ。

今は公園、入場料なしで誰でも入れる。
観客席でおしゃべりする人、かって試合が行われた運動場の片隅でのんびりと
バドミントンをする親子。
世界中から田舎者が集まってきている大観光都市にあって閑散としている。


緑は美しく、アカシアも満開、静かな環境、
なかなか良い所であった。(とら)



Arene de Lutece
rue de Navarre 75005 Paris