セーヌ河を歩く その二

休憩後シテ島の左サイドに沿ってポン・ヌフ橋へ向かう。
河岸を歩いてみて初めてパリ独特の表現「左岸・右岸」を実感する。
川上から川下へ向かって(東から西へ)右手が右岸、左側が左岸という訳だ。

ポン・ヌフの橋げたから見えるのは
ポン・デザール橋。この辺りの夜は酔っ払いが横行しているのだろうか、橋の下はやたらと小便臭い。

シテ島西端のヴェール・ギャラン広場まで異臭が漂うので早々に橋の上に上がると
そこにはアンリ4世の騎馬像がある。
1607年に完成した新橋(=ポンヌフ)は今やパリ最古の橋だ。
橋の命名者が時の王、アンリ4世。
何かの因縁か、彼はこの先の右岸、現フォーラムの傍で1610年に暗殺されている。

新橋を右岸へ渡る。ちょうどルーヴル美術館の筋向いというか、潰れた老舗デパート
サマリテーヌの裏にあるサン・ジェルマン・ロークセロワ教会へ行く。
ヴァロワ王家が14世紀にルーヴル宮を居城にしたため、この教会がフランス国王の
教区教会となり歴代の国王がここで祭礼を行った。1572年8月24日のサン・バルテルミーの虐殺はこの教会の鐘の音が合図となったそうだ。


ここでもペンテコステのミサの
最中だった。


あるパリ通の人によると、ここのステンドグラスがパリで一番美しい、という。

右岸をそのままポン・デザール橋へ。橋の左岸に建つのはフランス学士院。

橋は遠くから見るとキラキラしている。
なんだろうと近寄ると欄干に無数の鍵がロックされてぶらさがっている。   

← この写真はサンルイ島のトゥルネル橋のものだが
同様に鍵だらけだ。


日本だと菅原道真の学問成就の祈願おまじないあたりを思い起こすが似たような
エピソードがあるのだろうか?
そういえば河岸の歩道に並ぶ露店古本屋(ブキニスト)の屋台にも同じような鍵が
かかっているが、なにか関係があるのだろうか?

ポン・デザール橋を再び左岸に渡ると、次に見えてくるのはカルーゼル橋。


オペラ界隈から我が家へ帰るバスは、ルーブル宮の建物の
どてっぱらを通り抜けこの橋を渡って行くので身近な存在だ。


今回の散歩の終点、ロワイヤル橋。この橋を渡った右岸にはルーブル美術館のはずれフロール館が見える。その左側からチュイルリー公園は始まる。


ロワイヤル橋上から左岸前方に見えるのがオルセー美術館


これで目標達成。さあ、サン・トノレ界隈でビールだ、昼飯だ!(いの)