ポロネギ進化論

ポロネギの季節もそろそろ終わりである。
初めてヨーロッパの野菜で料理を作った時、冬は長ネギ、夏はキュウリ、この2つの
野菜があまりにも日本のものと違うので、本当にまずいと思った。
ポロネギはぐたぐたに煮ればいいということを知ったが、なにも日本にはおいしい
長ネギがあるのに、より好んで高いポロネギを買うことはなく試したことはなかった。
友人が青梅で野菜を作りはじめ、ポロネギを栽培し、しっかり煮込んだ前菜を作って
くれ、おいしいなと思ったのがパリ出発前である。


冬の期間ポロネギは野菜の王様だ。
八百屋でもめだつ。



まず、友人のレシピ・ポロネギの茹でたもの(貧乏人のアスパラ)を作った。こちらの
ポロネギは太いので迫力ある料理となる。前菜と言うより立派な一品である。

少し進化させて、ポトフのメインとして採用してみた。良いキャベツがないので、ポトフの定番キャベツの代わりの採用である。なかなか美味しい。ただ茹でるのもサッパリして美味しいが、牛肉のスープを吸ってより美味しくなっているようである。

今度はねぎまをイメージして、カジキマグロの照り焼きに添えてみた。
醤油味にしてみてもおいしい。

かくして、ポロネギは我が家の常連となり、ある時はただシンプルにゆでて、
塩、こしょう、ワインヴィネガ、クルミオイルで調味し、ハムを添えて。
ある時は先にゆでておき、肉またはマグロをスキヤキ風に煮た後に豆腐と一緒に
加え和風に。またある時は生姜を加え、鶏の手羽肉と一緒に煮て中華風に、
と自由自在に調理されるようになった。

最近ではポロネギとジャガイモの冷やしたスープ=ヴィシソワーズを作った。
日本で作る時はポロネギの代用品玉ねぎを使っていたので、本場の材料での
挑戦である。以前北海道旅行をした時、メロンをくりぬいて中にヴィシソワーズを入れ、メロンの身を削りながらスープと一緒に食べる料理を知り、今回作ってみた。

こちらのメロンは果肉部分が多く、くり抜く種部分が
少なかったのでスープを入れるスペースが
あまり取れなかった。そこで余ったスープに
パセリを散らしたヴァージョンも作った。


これからは夏野菜の本番、ポロネギの出番は少なくなってくるが、何かの時に
必ず一本はストックがあると良い食材となった。
次はキュウリとどう対決するか!(とら)