セーヌ河を歩くーその三

前回はサンルイ島からルーブルの端のロワイヤル橋まで、上流から河の流れに沿って歩いたが、今回は反対に下流から河を遡ってロワイヤル橋までの約3kmを東行した。
セーヌの河畔は世界遺産に登録されている、とガイドブックで知った。範囲はイエナ橋からサン・ルイ島のシュリ―橋までの約8km。
ということは我が「セーヌ河を歩く」シリーズで全てカバーされていますよ、皆さん!

トロカデロ宮殿とエッフェル塔をつなぐイエナ橋 Pont d'Iena。
イエナで連想するのは、銀座のイエナ書店。学生の頃洋書を買うのは丸善よりイエナへ行った。イエナという耳慣れないカタカナになんとなく文化の香りを嗅いだ気がしていたからだ。あの老舗書店もアマゾンの出現で洋書販売の役割を終えた。
この橋からトロカデロとエッフェル塔を見ていると、パリにいるという実感が湧く。






バトームッシュの乗り場沿いにしばらく行くとダビル跨線橋 Passerelle Debilly だ。
この橋の右岸に パレ・ド・トウキョウやギュメ美術館がある。


橋から振り返ったエッフェル塔




次はアルマ橋 Pont de I'Alma。右岸のウィルソン大統領通りのマルシェがとらの
お気に入りだ。
この橋はナポレオン三世時代に作られた。アルマとはクリミア戦争で1854年初めて英仏連合軍がロシアに勝った場所の名だそうだ。

橋の傍に見慣れた像がある。銘を見るとやはりザッキンだ。
東京の我が家のそば、佃と八重洲をつなぐ中央大橋の真ん中にこれと似た独特のブロンズ像が設置されている。シラク大統領は大の日本びいきということで、隅田川とセーヌ姉妹河となり、佃島にパリ広場ができ、ザッキンの彫像が寄贈された。(ここだけの話、佃の住人であれがザッキンだと知っている人はあまりいないと思う)



アンヴァリッド橋 Pont des Invalides
橋の向こうにグラン・パレが見えてきた。1900年のパリ万博の展示会場として建てられたが、今は文化センターみたいなものだとか。まだ足を踏み入れていない。
アンヴァリッド橋と名乗っているが、アンバリッドはまだ良く見えない。

アレクサンドル3世橋 Pont Alexandre III
見えているのはグラン・パレと対をなすプティ・パレ。旧称パリ市民美術館だ。
2005年に新装開店。ロマン主義から印象派のマネ、モネ、セザンヌまでもあるとか。しかも無料。その内行かねば。

 
これはパリの橋のなかで一番豪華絢爛だろう。19世紀末の大時代的雰囲気だ。
やはり1900年の万博用に作られた。
アールヌーヴォー様式の街灯やペガサス、ニンフなどで華麗に飾られている。

この橋から見るアンヴァリッド廃兵院。
1630年太陽王ルイ14世が建てさせ、1706年この大ドームは完成した。
ここにナポレオンが安置されている。

凱旋門からシャンゼリゼを通り、アレクサンドル3世橋を渡りアンヴァリッドへの往時の騎馬行進は豪華絢爛、素晴らしい眺めだったろう。
パリ祭の時軍事パレードの一部はアンヴァリッドへ向かうとのこと。
この橋で待ち受けようか、今から楽しみだ。(いの)