モンパルナス墓地 その三

日本はもちろん、ドイツや英国の墓標と較べ、フランスのそれは格段に個性があって面白い。この国の個性というかセンスが墓標や墓地の設計・デザインにも色濃く表れて
いるように思える。

この墓地には彫刻モニュメントが散見される。
彫刻家が寄贈したのか、墓地側の創案なのか。

墓地の真ん中にあるブロンズ像「永遠なる眠りの守護神 Genie Sommeil Eternel 」 H.ダイイオン作

17世紀の
風車小屋の
一部を残し
アクセント
にしている ↓

次の二つは、フランス人彫刻家、ニキ・ド・サン・ファール Nicky de St Phalle
(1930−2002)の作品。
彼女はニューヨーク育ちで、高校の時モデルだったとか、美術で赤点を取ったとかの
面白いエピソードがある。彼女の作品は世界あちこちに展示されており、チューリッヒ駅、ポンピドーセンター、サンディエゴやハノーバーなど。日本では箱根の彫刻の森
美術館で見ることができる。

鳥 L'Oiseau

猫 Le Chat




ゆっくり墓標を見て歩いていると20歳で亡くなったヴァレリーの墓があった。
(どなたかは知らねども若くして亡くなった哀切の情が伝わってくる)

西洋人に混じって中国人の墓は漢字が彫られているだけに異彩を放っている。

浙江省と河北省からの漢人
ここに眠るのだから成功者なのだろう。



マップをもらっていなければ絶対見つけられないような角塀の片隅にある
「Le Baiser (The Kiss)」、ルーマニア人の彫刻家ブランクーシBrancusi の作品。 
ブランクーシの墓もここにある。




 




















なんだか墓物語が好きになってきた。墓に親しみが持てるのは何故だろう。予感か?(いの)