プロヴァンスの旅―アヴィニョンからスタート

復活祭が終わったころから夏のプロヴァンスの旅を計画していた。
夏に行われる各種音楽祭の中から、エクサン・プロヴァンスオランジュでオペラを見て、ピーター・メイルの「南仏プロヴァンスの12か月」の舞台リュブロン地方の小さな村でゆっくり過ごそうというプランにした。スタート地点としてアヴィニョンを選んだが、
その理由はTGVでパリから2時間40分と短く、そこでレンタカーをしてプロヴァンス
一帯を廻るには最適な地点だからである。

この町については通過点としてしか考えていなかったので、「アヴィニョンの橋のうえで」の歌ぐらいしか知らず、予備知識はほとんどなかった。
パリからノンストップの列車を降りて、タクシー乗り場に並ぶと日差しがきつい。南仏のTGV玄関駅であるはずなのに、客待ちタクシーが少ないせいかすぐ出払ってしまう。
後続車を待つ間に早くも日焼けするような気がした。
ホテルはアヴィニョン中央駅前の、レピュブリック門から目抜き通りを入ってすぐ左側、市内観光に便利な場所であった。
城壁は14世紀に造られたもので約4.3キロ、街を囲んでいる。皇居が周囲約5キロ
なのでやや小さい程度。タクシーの運転手は「壁の町 Wall City 」と呼んでいた。

教皇庁広場へ続くメインストリート。

夏の演劇祭が翌日から行われるということで、チラシがいっぱい貼ってある。
音楽祭には注目していたが、言葉がわからないので、はなから演劇祭には
興味がなかったが、世界最大の演劇祭でこれから約1ヵ月間、演劇・舞踏・映画が
上演される。今年66年目、すでにたくさんの観光客であふれていた。



まず、アヴィニョンの橋、ということで荷物を置いてすぐでかけた。
正式にはサン・ベネゼ橋という名前で、城壁の外を流れるローヌ川にかかっているが、橋は途中で途切れ向こう側まで届いていない。かけては洪水で流される、を繰り返し放棄されたらしい。

橋の上から城壁を経て見える教皇宮殿が小さな町を睥睨している。


橋と教皇庁共通見学券を買うと、無料でオーデイオガイドがついてくる。日本語だ。
アヴィニョンの橋の上で踊ろうよ、踊ろうよ」という歌はさすがに吹き替えられて
いなかったが、フランス語の歌を聞きながら、橋を見学した。(とら)