セナンク修道院

セナンク修道院はゴルドからは10kmほど山に入った谷間にある。
泊まったホテルは住所としては「セナンク修道院への道(Route de l'Abbaye de Senanque)」とあり、ゴルドとは逆の方向に一本道を行けば修道院に行きつく。朝9時45分からガイド付き見学ツアーがある(見学はガイド付きのみ)との情報に従って地の利を生かして朝一番に向かった。

ちょうと建物を囲むラベンダー畑が満開に近い。絵葉書のような景色!
季節、天候がそろい願ってもない絶好の撮影日和となった。
 
修道院門柱        地味は砂地だ       ラベンダーアップ


9時45分という情報は去年のもので、今年は10時30分からガイドツアーとの表示がある。9時半に到着したので、いくら写真撮影に費やしても時間を持てあましていたところ、10時少し前になると事務所から人がでてきて、ガイドなしでもよかったら10時から入れると言う。修道院の来歴を詳細にフランス語で解説されてもちんぷんかんぷん、
猫に小判、自由に廻れる方がなんぼか好い。

セナンク修道院は1148年に設立されたロマネスク様式の建物である。土地の開墾から修道院建設まで全て修道士たち自身で取り組んだ。
清貧たるを旨とし、労働を重んじたシトー派の修道院らしく内装にも外装にも虚飾を排し、無駄をはぎとりシンプルさを追求した建築だ。
安藤忠男を含む多くの建築家がここでインスピレーションを受けたという。
  
礼拝堂。ロープが張ってあって、見学の人とお祈りの人の立ち入り場所が分かれている。お祈りの人は無料。
正式な見学時間前にうろうろした我々は修道士から見咎められたが、これを見ろと
入場料領収書をかざし先へ進んだ。

修道士たちが建物を造っている図。

図書館。映画「薔薇の名前」を思い出す。

プロヴァンスは冬は寒く、強い風が吹くという。ましてここは隔絶された谷間。修道院のことには詳しくないが、永平寺の禅僧のことも思いだし、宗教に何かを真剣に求めた人々のことに想いをめぐらした。(とら)