ヴォークリューズの泉

セナンク修道院のあとはヴォークリューズ山地に水源を持つソルグ川に沿った二つの村、フォンテーヌ・ド・ヴォークリューズとリル・シュル・ラ・ソルグを観光することにした。

まず上流のフォンテーヌ・ド・ヴォークリューズに向かう途中、車を停めてゴルドの村を撮影していたら、親しげに寄ってくる観光客あり。英語ができるので話していると、彼はスイス人の旅行者で、途中まで乗せて行ってくれないかと頼まれた。ヒッチハイク
拾わない方針だが、会話してしまった以上仕方なく同乗させる。山を下った幹線道路で彼を落とし、ナビの案内でフォンテーヌ・ド・ヴォークリューズ村の入口看板のあるところまで行くが、そこから先が通行止めで仕方なく引き返す。ナビはしきりにUターンせよと繰り返すがそれは無理、そのうち新しいルートを見つけたらしく大回りしてやっと探し
あてた村の駐車場に停めることができた。ここは村営らしく、駐車場料金3.5ユーロ
支払うと村の観光案内リーフレットを渡された。

この村にフランス一の湧水量があるといわれているヴォークリューズの泉がある。この源泉の確かな所在地はまだ特定されてないという。
フランスの川はみんな黄土色に濁っていると思っていたが、ソルグ川は日本の川のようにきれいに水が澄んでいる。

時計をみるとはや12時近い。まずは腹ごしらえと川に張り出している
テラスのレストランに入る。泉はこの道を登ったところにある。

夜はまたホテルの一つ星なのでランチは簡単にと、一人一皿づつとって
二人で分けることにする。
まずはニース風サラダ。予想通りの分量、これだけで充分主菜となる。

ビールのグラスにはセミの絵がプリントされている。蝉ブランドのローカルビールだ。
パリにはセミはいない。プロヴァンスの蝉の鳴き声はクマゼミアブラゼミの中間の
ようで、けっこううるさい。

もう一皿は牛肉のブロシェット。
付け合せのトマトのプロヴァンス風がよかった。

テラスは京都の貴船の床床を思い出させるような涼しさで気分がいい。
しかし貴船での食事のようにおいしいとはいえない。
いのが一生懸命シャッタースピードを調整しながらテラスからの水の
流れを撮影している。
 
暑いのとお腹がいっぱいになったのとで、坂道を上る気力がなくなり、
泉へ行くのは中止。川の周辺を歩くことでお茶を濁す
水車がまわっているのどかな光景である。
  
水の流れの美しさを堪能、似たような次の村へ行くと印象が薄れるなどと
自分へ言い訳し、午後はシエスタと決めホテルに戻った。(とら)