熱気球からのリュブロン地方

プロヴァンス最終日、バルーンで空からリュブロン地方を鳥瞰する観光プランをホテル
から予約してもらった。
熱気球には前にケニア旅行で乗ったことがある。その時は地上からは近づけない
サヴァンナの動物たちの生態が上からよく見えて大変おもしろかたので、ここでもきっとこの地方に散らばる美しい小さな村を上から見られると楽しみにしていた。
早朝、日の出前、5時半にルシヨンの町の薬屋の前に集合し2台の車に分乗して、
気球を揚げる空地に向かう。

アフリカの時は、気球の準備は現地スタッフによって全て行われ、客は乗り込むだけ
だったが、ここでは気球も車に積んでいき、3人のスタッフが車から下し、空気をコンプレッサーで送り込み膨らます。我々はそれをボケーと見ているだけ。客の中で一番
若い、ランボルギーニに乗っていたフランス男性が積極的に準備を手伝っていた。
空気を送り込み

気球がたちあがる

集合から1時間後、やっと出発だ。

上から見るリュブロン山地

気球の影が写っている。

ラベンダー畑が見える。

眺望は素晴らしいが、同じ場所からほとんど移動しない。上からゴルドとかルシヨンとか村が見えるのかと期待していたのに、畑の上を飛ぶだけである。なおかつ高度の
上げ下げもあまりしないので、下にいる人間とか動物とかが見えない。考えてみればアフリカの大草原と違って、日本ほどは密集していないといえ人の住む場所である。
プライバシーの問題とか、電線などもあり、また台地の間なので気流の問題とかも
あり、あまりおおらかに飛べないのかも知れない。
あっといいうまに飛行時間1時間が過ぎ、着陸。

乗客が乗っていたカゴを横倒しにして撤収作業にとりかかる。

今までは一番若い男性だけがボランティア的に手伝っていただけだったが、ここで男性全員に招集がかかる。フランス語の指示がわからないから作業に協力できないと言っていた「いの」も「ムシュ」とか呼ばれて仕方なしにみんなの後について手伝う。空気を抜いて所々をヒモで縛った元気球だった厚手のビニール布を折りたたんで、袋にいれるわけだがこの布が重い。

袋は女性陣全員で周りを持ちそのなかに布を入れていく。全員参加型のイベントといえるかもしれない。

撤収終了。9時半をまわっている。また全員で2台の車に分乗し最初の集合地点に向かう。そこで各自の車にのって先導車について向かった先は

シャンパンと軽食が用意され、気球乗車証明書を渡される。同乗者でお互いに自己
紹介しあう。作業に協力していたのはマルセイユから来たフランス人カップル。他は
ドイツ人、イタリア人、我々、フランス人の老カップルが二組、全部で12人だった。
証明書は全員の名前を入れて作る。名前は?と聞かれ、夫婦だったのは我々と老
カップルだけだった。あとはパートナーだかガール・ボーイフレンドということのようだ。
皆車なのに朝からシャンパン。フランスでは飲んでも乗るのは当たり前のようだ。
全行程は5時間、飛行時間1時間、歓談1時間、作業3時間という内訳だった。(とら)