ロンドンの中華街

ロンドンはいのが駐在していたこともあるし、私も現役時代は出張でよく行ったが、いつも中華料理屋に行っていた。イギリス料理に見るべきものはないし、イタリアンはひどいし、フレンチは高いだけだし、となるとロンドンでは中華とインドに限るというのが我々の一致した意見だ。
ヨーロッパではロンドンの中華が一番おいしいと思っていたが、それは20年位前までの話。パリの中華もなかなかおいしく満足していたので、今回はロンドンの中華と較べてみようと思い、昔よく行った店を捜し歩いた。

ロンドンの中華街はレスタースクエアにある。
横浜の中華街にも似て、いかにもチャイナタウンというゲートがある。

まずロブスター焼きそばがおいしく、必ず行っていた店、プーンズ Poons を探す。
中華街はすっかりきれいになっており、きたならしい裏通りは整理されている。
このあたりだったよねとうろうろしていると、呼び込みの女の子から声がかかった。
この辺にプーンズというお店があったよねと聞くと、それはうちの店である、名前が
変わってリニューアルしてオープンしたばかりであると。ホントかなとメニュをチェック
してみるとロブスター焼きそばがある。うなぎの寝床みたいな店内構造も一緒である。
ここに入ってみることにした。

必ずとるスープは定番の酸辣湯

コーンスープ、

野菜はチャイニーズ・ブロッコリーオイスターソース炒め

メインはなつかしのロブスター乗せ焼きそば

全体に甘めの味付けだが、焼きそばの処理の仕方はパリより上か。
これに紹興酒を取って86.50ポンド。パリより少し高いかもしれないがなんといっても伊勢海老みたいなものだからね。
TAO TAO JU 陶陶居
15 Lisle Street

ワンキーは小汚い店だが、鴨入り炊き込みご飯がお気に入りだった。
これはすぐみつかった。外観はきれいになっている。

チンゲン菜の炒め物、麻婆豆腐を頼み、パリと比較してみようということで魚の蒸し物をとった。魚の扱いと味付けはパリに僅差で軍配が上がるが、とにかく安い。
パリの半額だ。


鴨入り炊き込みご飯。やはりおいしかった。

この店は現地中国人向け社員食堂といった感じで、昔と同じで汚い。混んでいて
サービスは悪く、不慣れな人にはお勧めできない。しかし早い、安い、味も良しだ。
レシートを探してみたが、ない。確か40ポンドしなかったと記憶しているが、カード
不可・現金オンリーでレシートもくれなかったかも(でもアルコールが入っていたので
不確かです)。
Wong Kei 旺記
41-43 Wardour Street, London, W1D 6PY
020-7437-8408

泉亭居は特徴ある外観ですぐに思い出した。飲茶がおいしく、ひとりで食事をしなければならないときよく利用した。

飲茶はさすがで、品ぞろえ、味ともパリとは比較にならない。ここは昼夜2度行ったが、昼だと香港のようにワゴンを押してくる。


今夜は胃が疲れ気味だったので、おかゆをとった。


野菜炒めはレタスにした。



店内もテーブルクロスがかかり、雰囲気もそこそこ、値段も紹興酒をとって69ポンドと
リーゾナブル。日本語メニュもあるし日本人向けの店である。

Dimsum Palace 泉亭居
17 WardourStreet
020 7437 1398

結論:飲茶は断然ロンドン。野菜炒めは引き分け。スープはパリ。辛い物は両方だめ。パリのラオス料理屋が一番。パリでは中華以外にも行くレストランがたくさんあるのでまだ調査が十分とはいえないが、ロンドンにはその店の看板料理があり、レシピが引き継がれているところが良かった。
パリでも今度ロブスター焼きそばを探してみようと思った。

帰りにレミゼラブルの劇場の前を通った。
今回はオリンピックに集中していてミュージカル行かなかったな。(とら)

旧プーンズのロブスター乗せ焼きそばを最初に紹介してくれたのは昔、1970年代
後半に香港から長期出張で来ていた香港人の同僚だった。その頃は裏メニューでその
同僚がこの店のカオになり注文して作らせたのが発端だ。その後表メニューになり、
当社の歴代駐在員達にも人気を博してきており店は変わっても続いているというのは
感慨深いものがある。(いの)