ショーモン公園

静かな公園の昼下がり。ひしと抱き合う二人は周囲の眼などまさに眼中にない。
どう見ても不倫のカップルだ。男は髪が薄くなり始めた中年の背広姿。女はまだ若い。さすがは愛の都、パリだ。

ベルヴィルから北にやや急な坂を登り、角を左に曲がってしばらく行くと、ここビュット・ショーモン公園の裏口に突き当たる。
ショーモンとは禿山のことで、1814年国民軍は進軍してきたプロイセン軍のパリ侵入をここで食い止め撃退した。
その後ナポレオン三世時代、1864年から1867年にかけて、なにもない禿山を緑
豊かな公園に改造した。
街中なのに郊外の野山にピクニックにでも来たような気にさせる雰囲気だ。


土地の高低を利用し、サン・マルタン運河から水を引いて人工池を造成、その中央には50mもの巨大な岩山が屹立している。もとの禿山を彷彿とさせるがこの高さを強調するには周りを大分削ったのだろう。岩山のてっぺんにはギリシャ風ぽい小さな神殿がある。この岩山には二つの吊り橋で渡ることができる。

頂上の神殿からはモンマルトルの眺望を楽しめる。
ここから北駅を経由してモンマルトルまでは直線距離で2kmもない。

 
神殿から見た池とその向こうのサン・ドニ方面の町並み。

日本人にはあまり知られていない穴場かも。(いの)

Parc des Buttes-Chaumont