ブールデル美術館

この「弓を引くヘラクレス」はロダンの作だとずっと思い込んでいた。
この前オルセー美術館でこの作品を見ていると、後ろから来た人が「あっロダンだ」と
言っていたのでまんざら私だけの誤解でもないらしい。ブールデルは若いころ、10年
ほどロダンのアシスタントを勤めたことがあるので、ある程度作風が似てくるのは已むをえないのかも知れない。


この「腕」もロダンだとばっかり思っていた。
ということは、ダイナミックな力感はブールデルのものか。



ブールデル美術館はモンパルナス駅の裏手5分ほどの小道を入った所にある。
前庭も奥の庭も彫像が所狭しと置いてある。アトリエとか地下にもゴマンとあり、
彫刻の好きな人は大いに堪能できると思う。


この聖母子像(タイトルを直訳すると「処女と供物」)は、優雅で慈愛に溢れた聖母を
見慣れてきているので極めてユニークな力強さを感じる。
 




胸像もいっぱいあった。
ベートーベンだけで4種類。

自画像

ロダン

レリーフも力強く動きがあり、好きだ。

二階にレリーフの大作があった。




アポロンを慕うミューズたち」(訳;いの)

アントワーヌ・ブールデル(1861−1929)は、84年にパリへ出て85年には現在地にアトリエを構えた、という事は23歳にして自前の住まい兼アトリエを持ったのだから
田舎の金持ちの息子だったのか。そして生涯をここで過ごし、戦後未亡人やその家族によりこの住まいとアトリエはパリ市に寄贈され1949年開館、その後も増改築し今日に至っている。
ここのいい点は静かな環境の中ゆっくり観れること、入館料がタダなこと、そして近くに生ガキ専門店があること。
寒くなったら再訪し、生ガキで一杯やりながらロダンとの違いを考察してみようと思う。(いの)

Musee Bourdelle
18 rue Antoine 75015
電話 01-49-54-73-73