アヌシー湖
アヌシーはフランスのベニスと言われているそうだ。
運河沿いの道を歩いているとちょっとそんな気もするが、山がせまっているところ、
緑が豊富な所が決定的に違う。
青空市での買い物の後、市内を散歩する。
ティウー運河を遡りアヌシー湖へ。
シャン・ド・マルス↓ と ヨーロッパ公園↓ を結ぶ 愛の橋↓
雪の町らしく主な商店街はアーケードだ。
ここサヴォワ地方の料理はチーズで有名。
ラクレットかフォンデュを食べたい
ものだと探していたら看板が。
ラクレットを注文すると、ラクレットはチーズを切る道具が2階にしかないので、2階で
しか注文できない、それでは2階に行こうじゃないのと言うと、本日2階は団体客の
貸切であると言う。ラクレットを食べられる2階は団体貸切でダメよ、と言う事をなんと
持って回った表現をするのか!フォンデュもおいしいですよ、と言われメニュをみると
フォンデュだけで5種類もある。どれがおいしいのか聞くとセップ茸の入ったものが
香りも良く一番だという。これを頼んだ。
日本によくある、肉にチーズをからめて食べるフォンデュ・ブルギニオンはない。
みな単にパンをからめて食べるものだけで、茸や大蒜などチーズに香り付けをして
楽しむコンセプトらしい。セップ茸はフランスではこれからのシーズンけっこう高級な
茸であるが、おいしいと思ったことは今までなかった。しかし、この食べ方だと香りが
引き立ち素晴らしかった。やはり味より香りを珍重する松茸やトリュフと相通じる食材
なのだ。
食事の後は湖畔に沿って10数キロの小さな村タロワールへ。
この地は欧州有数の高級保養地として名高い。またセザンヌが滞在して絵を描いた
というホテルがあることでも知られている。
駐車場を見つけ、そのホテルに歩いて行く途中にオーベルジュ・ペール・ビーズの
看板があった。
ペール・ビーズは私が欧州出張に行き始めた1980年代、ボキューズ、トロワグロ兄弟と並んで有名な店で、オーベルジュという言葉を知らなかった私はどんなところだろうと想像してあこがれていた。(ちなみにここのレストランは現在一つ星)
こんなところだったのか! と、ひとしきり感激。
そばにあったブティックで店頭のマネキンが着ているエプロンと
マカロン、ケーキを買う。
ここで食事をしたセザンヌが現金を持ち合わせてなく、絵で払いたいと言ったが、断った
というエピソードがあるそうだ。(あとで後悔したらしい)
セザンヌがひと夏を過ごした、ホテル・ラベイ・ド・タロワール。
17世紀の修道院を改装したこじんまりとしたホテルで、ジャン・レノが共同経営者で
あることでも知られている。
門には セザンヌのポートレート
蔦の絡まる
ホテル・ラベイ
桟橋から見たホテルと岩山の全景。
セザンヌの描いた1896年7月作「アヌシー湖」 (英国ナショナル・ギャラリー所蔵)
彼はタロワールの印象を 、美しすぎて退屈だ、と言ったそうだが、この絵はなにか幽玄な印象だ。早朝の雰囲気だが、陽の当たり方を見ると西日か。現実の夏の午後は
もっと晴れやかで明るい。すっきり明るいタロワールは彼の好みではなく、いろいろ
再構築した結果こうなったのだろうか。
さすが、ヨーロッパの保養地、ざわついた観光地めいたところはなく、のんびりとした
昼下がりの村を人々は楽しんでいた。(とら)
昼食代;
ニース風サラダ 13 ユーロ
セップ茸フォンデュ 17.5
ワイン等 18.7
合計 49.2ユーロ
L'Etage
74000 Annecy
電話 04-5-51-03-28
Auberge du Pere Bise, Talloires
L'Abbaye de Talloires