ローヌ・アルプスのドライブ

今回の車は新型ベンツ。リヨン・パー・デュ駅のエイビス・レンタカー営業所は今までになく分かりやすい場所にあった。
今度もまた満タンのはずが、実際は1/4ほど減っていた。
しかし、この手のトラブルはもう想定内だ。粛々とクレームし、手続きを済ませる。


山に行く= 坂道発進 ⇒ マニュアルは嫌だ、ということで、オートマティックを借りると
なるとBМWかベンツクラスにならざるを得ない。何十年か前、ジュネーブに車で入る時、つづら折りの坂道をトラックの後について延々と登ったことがあり、その記憶から
マニュアル車での坂道発進は嫌となったのだが、今や道路は整備され、わざわざ昔の道を行かない限り急な坂道などない、と今回分かった。

アルプスへのドライブは快調だった。

事件が起きたのは、アヌシーのマルシェで買い物をし、フォンデュでご機嫌になり、
タロワーズへでも行くか、という時だった。頼りのナビ、トムトム、が壊れた!
トムトムは携帯ナビなので、使用時にフロントガラスに吸盤接着をするタイプだ。
以前からこの吸盤の接着が暑いときはやや弱く外れ落ちたりしていたが、今回落ちた時に不運にも画面に傷がつき、現在地は表示するものの新規入力ができなくなった。
タロワーズからアパートメントホテルへの道は湖沿いなので風景を見ながら帰れたが、問題はヴァランス行きだ。
アヌシーは小さいとはいえ古くからの町で、一方通行が多い。道路地図なしにこの町を出るだけでも厄介なのに、180kmも先の初めての地ヴァランスへどう行くか。
大体こんな小さな町にトムトムは売ってる訳ないだろうし、道路地図を購入するしか
ないだろうが、昔と違い高速道路は網の目に発達し、インターチェンジの頻繁な乗り
換えはかなり面倒だろうな、などと悶悶と考えながら一夜を過ごした。
ところが案ずるより産むがやすし!
翌朝ホテルを出るときベンツに付いているナビをいじってみたら、なんと作動する!
ナビ付き車を借りても一日10ユーロを払わないと使えない設定に通常なっている。
何故かそれがなく、使えた! クルマはいい車を借りるものである。一件落着。

ヴァランスへのドライブは快調だった。
あと130kmのあたりで昼食にしようと11時半頃ドライブインに入る。

レストランは高速の片側にしかなく、歩道橋ならぬ空中回廊で渡る。

余裕があるのでビールも飲んだ。(こちらでは飲んでも乗れるのだ)

ゆっくりし過ぎ、ドライブインを出たのは12時半過ぎ。
3時返却の約束なのでやや飛ばして先を急いだ。
AVIS(仏語ではアヴァス)レンタカー返却の事務所はヴァランス駅。駅に到着した時の走行距離は636km。無料走行距離は650kmだから結構走ったことになる。

ところがどこにも会社表示が見当たらない。タクシーの運ちゃんに聞くと、駅の地下
駐車場へ入れば事務所があると言う。なるほど、と入るが見当たらない。駐車場の
姉ちゃんに聞くとここの地下2階だと言うが、営業所などないしAVIS表示の駐車
スペースもない。刻限の3時はとうに過ぎている。
頭にきて、地下2階の適当な場所に駐車し、駅に上がるとホームだった。たまたまそこにいた駅員にAVISのキーを見せ、どこへ行けばいいの?と尋ねると、私が預かるとの答え。えー、どういうこっちゃ、と驚き、返却時の車の点検やガソリンのチェックは、等の疑問が湧くが、まーこの際どーでもいいか、とりあえず渡りに舟、と素直に喜ぶ。

ホームから待合所を通ると案内窓口があった。ふと見ると散々探したAVISの文字が
あるではないか! ここは本当の駅レンだった。
何度も駅レンしているがまだ一度もスムーズに運んだことはない。(いの)