ギメ美術館

メトロでイエナ駅から地上に出ると目の前にカンボジア(クメール)
美術コレクションで有名なギメ美術館がある。
入ってすぐの大ホールいっぱいが
クメール展示、右翼はタイ、ベトナム
左翼はインドという構成だ。

20年ほど前、初めてギメを訪れた時のシルクロードを通じての仏教・仏像の伝播という特別展から感銘を受けたことがある。その時の記憶をたどりながら、仏像の顔を西から東へできるだけ順序立てて並べて見る。

まずはブッダの生まれたインド。
この仏陀頭像は5世紀前半のものなので、これぞ本家仏様の顔か。

この二つはインドというより、もう少し西の方の匂いがする。

ヒンズー教のシバ神の踊り

アフガニスタンパキスタンガンダーラ
西への伝播が面白い。ギリシア的な鼻筋の通った端正な顔となっている。
西と東の融合。

 
遊牧民族の匂いも。

ネパール・チベット
仏教はインドの北東ネパールからチベットへと伝わる。
神秘主義的な密教の影響か、ちょっと気味が悪い顔だ。

カンボジア・タイ
南に下りると、顔が悟りを得た穏やかなものになる。気候・風土から来るのだろうか。


この踊りは
インド様式だ。



中国 
隋・唐代の5〜6世紀の仏像。
日本への仏教伝来に前後するので日本での仏の顔の元祖か。




この美術館は陶器や服飾品も大量に展示しているが、
今回はテーマが違うので割愛。


朝鮮
ここまで来ると、ふくよかな馴染の顔となる。


千手観音と
白磁



日本
中国とは違うが、頬のふくらみ加減など朝鮮と日本は同じゾーンにいると
再認識できる。

ここの美術館のライブラリー。
女神立像の上の吹き抜けの天井はガラス張り、太陽を表現している。
東洋関連のコレクションの総数は
約45,000点、うち日本関連は浮世絵や
屏風、能面、茶器など11,000点という。



西洋文化に囲まれた日常を送っていると、回帰というと大げさだが、時々来たくなる
場所ではある。(いの)

7.5ユーロ
Musee National des Arts Asiatiques Guimet
6 Place d'Iena