ドナウ川と大観覧車

ウィーン4日目、翌日昼の便でパリに戻るので、実質的な最終日となる。
予定は盛りだくさん。ウィーンに来たからにはドナウ川に行かねばと、朝一番に地下鉄1号線でドナウ川の中州の駅「ドナウ島 Donauinsel」に向かう。
ウィーンの地下鉄はパリのメトロより幅が狭い。そしてきれい。

犬は口輪をはめられている。
パリの自由な犬を見慣れている身としてはちょっとかわいそう。

美しき青きドナウ

に浮かぶ白鳥。

近づくとエサを求めて寄ってくる。
水もきれい。
さすがエコ先進国だけのことはある。


予想していたよりドナウ川は大きかった。隅田川はもとより、セーヌ川テムズ川とは
比較にならない。ゆったりとヨーロッパ中央を流れる全長2、860キロの大河である。
ローマ時代には帝国北方の防衛線となっており、これより北は蛮族の住処だった。
源流はドイツのシュヴァルツヴァウト、黒海に注ぐ。

大河にふさわしく遊覧船も、遊覧船には見えない程の大きさだ。

中州を歩きまわってみるが観光客はおろか地元の人もだ〜れもいない。天候はまさに秋晴れ、ドナウ川は青く、広々としており、心も広くなるような気がする。

橋を渡って地下鉄のひとつ都心寄りの駅「公園前通り Vorgartenstr.」からプラーターへ

プラーター Prater はウィーン庶民に長年親しまれてきた遊園地。ウィーンを舞台にした小説を読むとよくでてくる。いのからは「古い」と言われたが、映画「第三の男」に登場する大観覧車に乗りたいというのがここに来た目的。
9時から動き始めるとの情報だったので、9時に到着する。看板に描かれた若き日の
オーソン・ウエルズを見た時、やはり古いか、と実感した。

混んでいるのではと思って営業開始と同時に来たのだが、がらすき。
ゴンドラには我々と親子連れの4人が乗り込む。
ウィーンの旧市街がよく見える。

一番上に差しかかる。    
貸切で食事もできる豪華ゴンドラが見えた。

今度行く時は是非トライしたいものだ。



下に遊園地が。月曜日の午前中ということもあるだろうがほんとにさびれている。

1898年のウィーン万国博覧会の時、その前年に完成した大観覧車は大人気。
遊園地自体も市民の人気を集め、シュトラウス父子の指揮のもとオペレッタが上演
されたというプラーターだが、昔日の面影は感じられない。たこさんが悲しい。

駅構内に Running Sushi 回転寿司があった。

ウィーンの小唄に「愛しき大観覧車よ、幸運の大観覧車として何百年も回り続けて
おくれ」とあるそうだが、ウィーンの人たちは回るものが好きなのか。(とら)