ねずみ山公園の彫像たち

モンスリ公園に彫像は全部で9体ある。
 
いつものゲートの正面に、翼を広げた
戦いの天使、「武装平和」という
円柱が建っている。


右手が丘、左手へ下ると池だが、彫像の多くは何故か池の周囲に配置されている。

池に向かうと、まず見えてくるのが「初めての震え、or 羊飼い」という題の
大理石像。1921年作。いやらしげな眼つきの羊飼いが処女を誘惑している図。
これは公序良俗に反しない?(古いか)

その傍にあるのが「石切り場、or 鉱山の事故」1906年作。
なにか故事来歴があるのだろう。

池を廻った所にあるのが「破滅(挫折と訳すべきかも)」というシリアスな大理石像。
1859年作で1882年に設置された。

その先に「ライオンの死」。見た目通りの題だ。1930年設置。

池を背にして丘の中腹に「水浴する女たち」という今までとは作風の違うヌルい像だ。
1939年作、1952年設置。

公園の中ほどを横切るRER線を越し丘を登り切った所にある「純潔 or グレース」
という立像。
 
そこから丘を下る中腹には「砂漠のドラマ」という山猫と蛇の戦いの像。
動物がテーマなのはこれだけだ。

これらとは離れた公園の端の小道に金色の像がひっそりと立つ。

「トーマス・ペイン、世界市民」 1938年作。

彼は英国生まれながらアメリカ独立戦争に参加したり、その後フランスに渡り1791年10月フランスの市民権を得、国民公会による新憲法の草案作成委員会に参画し、
コンドルセと共に憲法草案の前文を書いたといわれる。
この辺の事情がフランスでの人気で「世界市民」という称号を授けたのだろう。
この像は第二次大戦直前に作られたものの、金箔でハデ過ぎるとしてお蔵入り。
戦後向かいの大学都市のアメリカ館の前の歩道に設置されたが、2009年にこの
公園内に引っ越したばかり。大学都市のイギリス館が通りを隔てて見える所に背を
向けて置いたのは、彼が反抗した祖国の近くに戻してあげる、しかし背を向けて、と
いう寓意と考えるのはやはり妄想だろうか。(いの) 

Colonne de la Paix Armee
La Carriere ou Accident de la mine
Premiers frissons ou La Bergere
Les Naufrages
La mort du lion
Les Baigneuses
Purete ou La Grece
Drame au Desert
Thomas Paine