プチ・パレ パリ市立美術館

アンヴァリッドを背にしてセーヌに架かる橋の中で一番豪華なアレクサンドル三世橋を渡った両側にグラン・パレ、プチ・パレが対をなしている。






この橋からシャンゼリゼまでの広いけれど短い通りはチャーチル通りという。
プチ・パレの建物の脇に元英国首相ウィンストン・チャーチル銅像は佇み、
銘板が足元に据えられている。
「我々は決して降参しない」
1940年6月4日北仏の海岸ダンケルク
英仏連合軍が独軍に追い落とされた敗戦日の演説の言葉だ。


しかしこの10日後パリ陥落、6月22日フランスはドイツに降伏した。

1900年万博に向けアレクサンドル3世橋、グラン・パレやプチ・パレは同時期に
造られ、プチ・パレはフランスの美術作品のメイン展示場となった。
イオニア式の柱や大型のポーチはグラン・パレと、ドームは左岸のアンヴァリッド
シンメトリックに呼応している。

プチ・パレの正式名称はパリ市立美術館。
パリ市所蔵の19世紀のコレクションが展示されている。常設展は無料だ。

ジョルジュ・クレラン 「サラ・ベルナールの肖像」1876年

シャルル・ジロン 愛称「パリジェンヌ」 ベル・エポックを代表する作品。1883年

テオフィル・アレクサンドル・スタンラン 「7月14日」 1889年 
彼の代表作「黒猫」の方が有名かも。

カミーユ・アラフィリップ 「女性と猿」 1908年

クロード・モネ 「ラヴァクールの日没」 1880年 この美術館の目玉。

ポール・アルベール・ボードワン 「パリの夕暮れ」 1889年
 
アルフォンス・オスベール 
「古代の夕べ」
1908年
幻想的な夕陽や月明かりを描くので
「夜の詩人」
と呼ばれた。

この美術館はいい!
コレクションもさることながら、人が少ないのでゆっくり鑑賞できる静かさ、
そして贅沢な空間が実にいい。


中庭の回廊もいい。廊下のパネルのモザイクがエキゾチック。
 


中庭には庭の緑を見ながら軽い食事もできるカフェがある。
シャンゼリゼの高くてサービスの悪いカフェに入るくらいなら、ちょっと足を伸ばし
入場無料の美術館に潜入、お茶を一杯。
これぞパリ通になった気分! 素敵な都会の穴場といえる。(いの)

Petit Palais
Ave Winston Churchill 75008