ザッキン美術館

春先から何度来てもずーっと改修中で閉鎖されていたが、やっと10月10日
展示物の入れ替えを終えオープンした。
ヴァヴァンやポルト・ロワイヤルから5〜6分、うっかりすると通り過ぎる位この
美術館の標識は地味だ。 アッサス通りの中ほどの袋小路の突き当りにあるが、
本当にここなの、という位ひっそり慎ましやかに存在する。ゲートの前にモニュメントがあるのでやっとここかと安心する。

入ってすぐの庭に点在する作品群がいい。
第二次世界大戦の犠牲者へ捧げられたオマージュで彼の代表作の一つ。
破壊された都市のトルソー 1947年 

水を運ぶ女性  1927年

人間の森  1958年 




 












白壁の小さな家が終の棲家となった。このアトリエには小品が並ぶ。

彫刻家  1929/1949年とある。意味不明。20年かけた作品なのだろうか?

1890年ロシア生まれのザッキンは英国で造形学を学んだ後、1909年パリへ移住、エコール・ド・パリ派の彫刻家として頭角をあらわす。後に女流画家・ヴィランティーヌ・プラックス(1877−1981)と結婚する際、その証人となったのは藤田嗣治だった。
1928年以来死ぬ(1967年)までこのアトリエで活動を続け、妻が亡くなると、遺産はすべてパリ市に遺贈され、パリ市がこの家を美術館に改築した。
従ってパリ市立なので入場料は無料。

ブロンズやセメント、石材を使ったごっつい骨太な彫刻家のイメージがあるが、楡や
黒檀、梨材などの木材をつかった彫刻品が多く並んでいた。木の柔らかさを好んで
いたようで、本当は優しい人だったのだろうか。
東京は佃の中央大橋にある彼の作品「メッセンジャー」にますます親近感を覚える
ようになってきました。(いの)

Musée Zadkine
100 bis, rue d'Assas
75006 Paris