コートダジュール再々訪

4月にコートダジュールのオテル・デュ・キャップを再訪した時、このホテルにあるソファを是非買いたい、とソファ屋の場所を聞いて訪ねたが閉まっていた。
それから半年、心にかかっているうちに月日は過ぎ、ソファへの思いは募るばかりだったが、フランス語能力に決定的に欠けるため、行動を起こせずにいた。そこへ強力な
助っ人登場、パリに来てから知り合った学校の後輩でフランス語の通訳をしているアイ嬢が語学力と交渉力を駆使してソファ屋とのアポをとってくれた。オテル・デュ・キャップは10月15日から半年休業なので、再々訪には間に合わなかったが、アンチーブから山側に入ったヴァンスにある姉妹ホテル、サン・マーティンがインディアン・サマー
キャンペーンというお得なプランを10月いっぱい提供しているので、そこで一泊、カンヌはこれも以前泊まったことのあるカールトンに一泊、ニースにも一泊と、合計三泊四日のプランをたてた。

曇り空のパリから南仏へ、晴れ間が広がってくる。
雪をかぶるアルプスの上を飛んで、コートダジュールが近づいてくる。

今回はニース空港でレンタカーをした。借りるまで1時間はかかると覚悟はしていたが、到着した国内線の第2ターミナルのカウンターに行くと「第1ターミナルへ行け」との表示。シャトルバスで第1ターミナルへ、すると今度は「第2ターミナルへ行け」との
表示、まるでマンガである。
空港インフォメーションで聞くと、レンタカーセンターが第2ターミナルそばにありそこで借りられるとのこと、またシャトルバスで第2へ向かう。もっと適切で正確な表示が何故されてないのだろう。
レンタカーセンターは歩いて3分、すぐに見つかった。安いマイナーなレンタカー会社だが、立派なカウンターがあった。しかし客で混んでいる。空港到着が11時25分だったが、出発できたのは13時。アンチーブにあるピカソ美術館のそばで食事をしようと車を出した。

美術館見学を終え、カンヌ到着は17時、事前にネットで調べるとホテルの駐車場一泊38ユーロもするという情報があったので、ホテルそばの公共駐車場に車を停めた。

カンヌカールトンは海岸沿いのクロワゼット通りに面した伝統あるホテルである。
最初来た時は現役だったので、海の見える部屋に泊まったが、今回は一番安い部屋=海岸とは反対の裏側の部屋を予約していたが、オフシーズンのせいかアップグレードしてくれ、裏ではなく横道に面し、首を出してのぞくと斜めに少しだけ海の見える部屋となった。

インテリア装飾はきわめてシンプル、ドーンと天井の高い広い部屋にベッドとクローゼットがおかれている。昔の一流ホテルという印象で、空間がリゾートを感じさせてくれた。
夜は歩いて行ける範囲でとコンシェルジェにイタリアレストランを聞いた。このコンシェルジェがいい加減、「あっ、それならここね」と言った感じで一軒だけ教えてくれる。行ってみると、8時半を過ぎているのに客は一人も入っていない。あまりにも客のいないところは問題だということで海岸通りに面したそこそこ人が入っていて、メニュを確認しパスタのあるカフェに入った。どうもカールトンは気分は一流だが、伝統に胡坐をかき偉そうなだけでサービスはあまり良くない。

帰りにカンヌの海岸を散歩。照明が刻々と変わる。
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カンヌは熱海に似ている。しかし熱海より夜間照明が派手でいかにもコートダジュール的であった。(とら)