マイヨール美術館

ブールデル、ロダン、ザッキンといった彫刻家美術館を廻ってきたので、マイヨールにも行かねば、と思ってはいたが、カナレットの企画展がマイヨール美術館で行われていると知り、やっと訪れる機会を得た。

マイヨール美術館は、サンジェルマン大通りとボン・マルシェへ通じるバック通りに近い官庁街の7区にある。
彼はブールデルと同い年の1861年生まれ、ほぼ同じ頃パリに出て美への道を歩み始める。ブールデルは最初から彫刻一筋にロダンのそばで活動していったが、マイヨールはデッサンと絵画からスタートする。その後いろいろトライし、彫刻に手を染めたのはなんと40歳を過ぎてからで、裸婦像にテーマを絞り込んで行った。75歳の時、当時
15歳のロシア人女性ディナ・ヴィエルニにめぐりあい、1944年交通事故で亡くなる
までの約10年間彼女をモデルにして創作を続けた。なお彼女はマティスのモデルにもなっており、愛人であった訳ではなさそうだ。

この美術館はこじんまりとしており、カナレット企画展にかなりスペースを奪われたせいか、マイヨールの裸婦像は数える程しかなかった。
これらがティナ・ヴィエルニーかどうかは知らない。



ということであまり彫刻家マイヨールを語ることもできない。

画家であった頃の作品も何点かあった。
マイヨール夫人  1894年

また彫刻を始める前はタペストリー作家でもあったことも初めて知った。
3人の聖人   1898年

ヴィエルニーは戦後ギャラリーを始めたので、そのコレクションとしてフジタのデッサンが展示されていた。
モンパルナスのモデル  1927年

ピカソもあった。
手   1920年

カナレットも面白い作家で、この展示会で知ったウンチクを披露してみたいが、この企画展は撮影禁止だったので残念ながら写真がなく、また別の機会ということに....。(いの)