デュッセルドルフの食材

「ドイツではスキヤキが食べられない。生卵を食べて死んだ人がいる。
卵と一緒のスキヤキを食べたいなあ」といういのの言葉で、手荷物で日本から生卵と下仁田ネギを運んだことがある。なつかしい思い出だ。いのの駐在中、休暇で来てはせっせと料理を作っていた。従って、私にとってデュッセルドルフで再訪したかったのは当時買い物に通った食料品店である。

まず日本食材店に行ってみた。日航ホテル並びの大洋食品と松竹、2軒とも健在だ。
店内の様子もほとんど昔と変わりない。品ぞろえにも大きな変更はない。当時住んでいたグルッペロー通りから近いオスト通りの日本人ご用達肉屋にも行ってみた。日本語での表示は昔のまま。パリでは手に入りにくいスキヤキ用の肉をパリに戻った翌日の夕食用に購入。あわせてこれもパリではみかけない、魚肉ソーセージのような色
だがちゃんとしたドイツのハムを何種類か買う。

一番行きたかったのがこのオープン・マーケット。
春の白アスパラ、いちご、夏のラタトーユ用の野菜、よく買いに来たものだ。旧宅から
ケーニックス・アレーを横切って真直ぐの旧市街の入り口にある。ちょっと様子が昔とは変わっていた。以前は完全な青空市だったのに、アーケードのように透明な屋根に
なっている。

絞りたてのオレンジジュースを飲ませてくれるスタンドはまだあった。

今はきのこのシーズン。セップ茸に似たきのこだが、パリの物より白くてきれい。

しかし、やっぱりここのすごいのはジャガイモ屋さん。
10種類以上のジャガイモがある。パリでおいしいジャガイモにあたったことがなかったので、ジャガイモを2種類1キロづつ買った。
日本人の奥さんがいるお肉屋さんのお店もまだあった。ご主人は13年前より老けて
いたが、奥さんたしか日本人でしたよね、と話しかけると片言の日本語で答えて
くれた。6ヵ月は持つというサラミソーセージを味見させてくれ、おいしかったので日本に持って帰りたいというと真空パックにしてくれた。

ホテルに帰る途中にWARAKUという以前にはなかった日本食テイクアウトの店を
発見。日本のスーパーやオリジン弁当よりおいしそうだ。パリへもどる車中の夕食用にお弁当を9ユーロでふたつ買った。(とら)