いのとら対談

とら:「いのとら日記」よく続いたね
いの:今年の1月1日から始めて日記をつけた日が334日、これは記録だ。
とら:2月に会社の後輩Y氏からブログの更新頻度をあげたほうがいいとの
 アドバイスがあってから、毎日更新しようということになったんだよね。
いの:Y氏からは食事の写真の撮り方の注意点も教えてもらったね。
 この場を借りてY氏に感謝。
とら:謝肉祭のヴェニス旅行から帰った2月25日からカーディフ郊外のマナーハウス
 でネットが繋がらなくなった7月31日までの5か月は毎日更新して頑張っていた。
 ということはヴェニスにはパソコン持っていかなかったけれど、その後の旅行はいつも
 パソコン持参してたということ。自分だけだったらとても続かなかったと思う。
いの:ふたりでやってたから続けられたという面はあるよ。
とら:ところで当初の目的「人生のリセット」は達成できず「人生のペンディング
 といったところかな。
いの:でも、外から日本を見られたこと、何が本当に必要かということが考えられた
 ことはこれからの生活の基本になると思う。
パリのレストラン
とら:エサにつられてパリについてきたといういのの食事の感想はどうよ。
いの:まあこのブログは食事のことばかりでつまらないという感想も寄せられたくらい
 毎日のように食べ歩いてたね。基本的に昼外食、夜は自宅で簡単にというパターン。
 米は自宅で食べていたせいか、いわゆる日本食はそれほど恋しくならなかった。
とら:外で和食食べたのって5回ぐらいだよね。でもナンチャッテ日本食レストラン、
 一回は行ってみたかったような気がする。
http://d.hatena.ne.jp/inotora12/20120422/1335122769
いの:ミシュランの三ツ星レストラン全部で5軒行ったけれど、対費用効果的にはもう
 行かなくてもいいな。
とら:そうかな。私はヴァランスのピックはぜひもう一度行きたい。
http://d.hatena.ne.jp/inotora12/20120912/1347475953
いの:近所の昼定食ビストロの方が安くてうまい。ビストロ・ペンギンとかパルナス138
 とか魔女レスとかいい店が多かったな。
とら:フランスの地方料理もいろいろ行ったよね。バスク料理はなかなか良かった。
いの:最後の方でのサヴォアラクレット・チーズも面白かった。
とら:フランス国内旅行で行ったレストランではニースの魚料理店がピカ一。
http://d.hatena.ne.jp/inotora12/20121112/1352739974
 ロワールの二つ星ホテル・レストランもサービス・味ともに良かった。また行きたい。
http://d.hatena.ne.jp/inotora12/20120416/1334601129
いの:僕はなんていたってフォアグラ・ハンバーガーが印象深い。
 トゥールーズもきれいな町だったな。
http://d.hatena.ne.jp/inotora12/20120613/1339609597
とら:アジア系料理もパリはおいしいね。中華は最後の方で発見した山東が安くて
 おいしかった。14区の中華街のシノラマとかショワジーも月イチ位には行ってたし。
 国都大酒楼がどうやら潰れたらしいのは残念だった。
いの:S‐F夫妻が発見したラオス料理店月亮もうまくて安かった。
http://d.hatena.ne.jp/inotora12/20120605/1338917093
とら:観光客にはモンパルナスタワー最上階の食事と景色はお奨めだと思う。
http://d.hatena.ne.jp/inotora12/20120807/1344362699
いの:絶対行かない方がいいのはシャンゼリゼオペラ座界隈の店。
 有名カフェのフーケやカフェ・ド・ラペは高いだけでまずかった。
とら:カフェはお茶するならサンジェルマン・デ・プレ。
 食事ならオデオンのアトラスがお気に入りだったね。
http://d.hatena.ne.jp/inotora12/20120127/1327685838
いの:あとはリヨン駅前のカフェ・ルロペアンは雰囲気も良かった。
とら:その2軒って生ガキもおいしいのよね。
いの:生ガキもずいぶん食べ歩いたね。生ガキしかない専門店、魚介類専門店、
 カフェとあるけれど、店よりも季節、注文するカキの種類とサイズでうまさが違う。
とら:寒い12月から2月の3か月間がベスト、サイズはナンバー1か2、種類は
 ブロンが有名でけどスペシャルの方がいいかな。
パリの食材とワイン
いの:自宅の食事はやはり米が基本、備え付けの電気釜が壊れてから、ストーヴ鍋
 で炊いてたメシは本当にまずかったが、怒られると思って黙ってた。
とら:外米だからまずいと思ってたら、妹のたつが持ってきた日本のおいしいお米でも
 ダメだった。大家さんに新しい電気釜を買ってもらってから自宅の食事もまあまあに
 なったね。
いの:僕はメシのおかずは京子食品の冷凍納豆とビオ生卵があればOKだったしね。
とら:日本から持参したのは出汁昆布と厚削り節。醤油、みりん、酒、味噌は現地
 調達。和食の基本は出汁ですよ。
いの:パリには魚屋がけっこう多いが、種類が限られていて刺身に向くようなものは
 はっきり言ってない。マグロ1キロ50ユーロと他の魚よりは高いが、日本よりは
 安いので500グラム分ぐらい買って、よい部分をサクどりして刺身にしたけれど
 日本で食べるマグロとは全然違う、という事実が日本のマグロ買い占めの傍証かも。
とら:太った鯖があると生姜煮とか味噌煮とかにしたり、コイワシ(アンショワ)も
 手間はかかるけれど煮物にするとおいしかった。
いの:でも自宅飯の決定版は大サラダ。三ツ星シェフも買いに来るという近郊農家の
 チボーさんのマルシェの店でいろいろなサラダ菜の若葉をちぎったものをふたつかみ
 買って、トマトやセロリ、アンチーブなどその時ある生野菜を足して、サラダボールに
 いっぱい作る。
 それにやはりマルシェで買ったチーズとハムを足して、毎日食べてたね。
とら:基本食材が日本より安いのはありがたかった。量り売りが基本なので余計な
 量を買わずに済むし...。
 それから日本からの来客で我が家の台所で腕を振ってくれたT氏のシャトーブリアン
 ステーキと、N氏のオリジナル料理あんこうのブイヤベースもとてもおいしかった。
いの:あと忘れちゃいけないのはワイン、ほとんど毎日飲んでたね。
とら:春のワインフェアに行くまでは近所の酒屋で買ってたけれど、それ以降は産直、
 ワイナリーからの直接お取り寄せになり、また最後の方でナチュラルワインを知って
 それまでの酒屋とは違う、ダゲール街の別の酒屋で買うようになった。
 ナチュラルワインのことはもう少し早く知りたかったな。
いの:結局航空便で24本、船便で60本東京に送ったね。
とら:船便で送った分は赤道を通って味が変わらないか心配。でも日本ではワインに
 合う食材を買うと高いのよね。
印象的なパリ生活
いの:食べ物の話だと話題は尽きないね。
 ところで君の希望だったフランス革命歴での生活とかパリ歴史散歩はどうだったん?
とら:フランス革命歴はテルミドール(7月)までいかず挫折。パリ歴史散歩もちょぼ
 ちょぼだね。唯一実行できたのはパリ〜ベルサイユ行進かな。
http://d.hatena.ne.jp/inotora12/20121006/1349554523
いの:モンパルナスとペール・ラシューズ墓地めぐりも面白かったね。
とら:椿姫とデュマフィスの墓のあるモンマルトル墓地は行き残したところのトップ。
いの:美術館・博物館はずいぶんあちこち行ったけれど軍事博物館が印象深い。
http://d.hatena.ne.jp/inotora12/20121014/1350233867
とら:S-F夫妻と5月にヴェルダンに行ってから第一次世界大戦のことを少し勉強した
 けれど、大革命以降の王政復古から現代までのフランス史がやっと繋がった。
 7月王政から、2月革命、ナポレオン3世普仏戦争パリ・コミューン、第3共和制、
 第一次世界大戦となるのよね。パリって血なまぐさい街でもあり、フランス人は血を
 もって現在の生活を手に入れたんだと実感できた。
いの:日本では戦争のことを冷静に展示しているところは少ないよね。パリに住んで
 歴史を少しかじっただけでの印象を言うと、パリに市民はいたけれど、江戸〜
 東京には市民はいない、意見も抗議もしない庶民がいただけという気がするな。
 今もそうかも……
とら:パリ以外フランス国内旅行はロワール、コート・ダジュール、ランドック、
 エクザンプロヴァン、フランスアルプス、アルザスと行ったけれどどこが一番だった?
いの:印象に残っているのはランドックのモンセギュール。あいにくの雨だったが
 晴れた日にまた行きたいような気がする。
http://d.hatena.ne.jp/inotora12/20120619/1340120385
とら:あそこは車がないと行けなかったね。いのはずいぶんレンタカーで走り回ったね。
いの:スピード違反3回は多いのか少ないのか。電気製品などと違って、車は機能が
 世界中どこでも一緒で誰でも運転できると思っていたが、ハンドブレーキの位置や、
 バックへのギアの入れ方が最近の欧州はメーカーごとに結構違ってきている。
 フランスで駅レンタをするのは事務所やガレージの場所探しがムチャクチャ大変。
 あっ、イギリスもそうだった。
とら:便利だったのはモバイル・カーナビ「トムトム」。こちらのレンタカーには標準装備
 されていないので、一年しかいないのに買って持ち運んでいた。これがなかった前は
 どう運転していたのだろうと思うくらい優れもの。
 そういえばこれもY氏が教えてくれたんだ!
いの:パリに1年住んで一番たくさん行ったのは近くのねずみ山公園。素晴らしい散歩
 コースだった。ルネ・コティ通りのプラタナス並木と合わせて季節の移り変わりを
 実感できた。東京ではなかなか味わえない自然とのふれあい12カ月。パリ滞在に
 深みを与えてくれた。
とら:あと普通の観光旅行では出来なかったろうなと思うのはルーヴルに5回ほど
 行ってじっくり見たこと。といっても絵画部門だけで、まだまだルーヴルは見尽くし
 ていない。でも絵画部門だって季節ごとに展示作品を入れ替えているし。
 枕の草子的にいうと「パリはルーヴル」かな。

というわけで「いのとら日記」最終回は明日、いのととらが選んだルーヴル絵画ベスト
テンを載せてみます。
この1年ご愛読ありがとうございました。2人だから続けられたという面はあるけれど
アクセス数も励みになりました。
コメント入れてくださった方々にも感謝するばかりです。
madameさんからご提案のあった交流会、参加できるかもしれない方はコメントに来年
1月の内都合の悪い日時をご連絡ください。それに基づき場所・日時はこちらで設定
しようと思います。お待ちしています。(いの+とら)