オーべルジュのバスク料理

13区にあるこのレストランのホテルの名前は面白い。Residence Hoteliere La Vert Galant。 直訳すると「滞在用ホテル 緑の色事師」で、辞書によると緑の色事師は
「森の盗賊」、「女たらし」の意とある。
するとここは連れ込み宿で、そこのバスク・レストランとなるとカルメン風あやしげな山賊料理がイメージされる。
でも歴女が連想するのはナヴァール出身で女たらしだったアンリ4世だけどね、とは
とらのコメント

案内された2階の先客は小さな子供二人を連れた若いファミリーだった。
今日の定食メニューは黒板に書かれているが手書きでにわかには読めない。英語で一応の説明を受けたがよく分からない。
すると先客の若奥さんが私たちが食べているのがそのメニューよ、ご覧なさい、
と見せてくれた。アットホームなレストランだ。

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ん、旦那は小泉
元首相に似て
いない!?

バスクというとスペインを思い起こすが、有名なフランスの美味・美酒の地域の一つに南西地方(Sud-Ouest)があり、その一部にフランス・バスクがある。歴史的には
ナヴァール王国をピレネーを境にスペインとフランスで分割したらしい。従ってフランスのバスク料理は我々の知っているスペイン料理に近い。脂っこくなく、野菜がおいしい
ので、このごろはバスク料理に凝っている。

昼の定食は前菜・メインに
サングリアかワインが
サービス。サングリアを選ぶ。


日本のスペイン料理店のサングリアとは一味違うピリッとした辛みがある。
何が入っているのと聞いたら唐辛子、このへんがバスク風だ。
ワインは南西地方のガスコーニュのロゼにした。

いのの前菜の砂肝のサラダ。

とらの前菜ピペラート。

前菜を食べているとき、後ろの席に東欧系とおぼしきカップルが来た。黒板のメニューがよく分からないらしい。店のお姉さんの英語でもだめ。東欧おやじの肩をつつき我々が食べている皿を見せてあげた。喜んでくれた。我々が受けた恩を後に続く者に受け渡せ、なんとなく心が豊かになった。でもその直後、このフロアーはガキ連れと外人
ばっかり詰め込んで普通の客から隔離してるのかよ、とひがみ心が一瞬浮かんだのはまだまだ修行が足りない証左だろうと反省もした。

ところで、いののメイン バスク風鶏の煮込み。 
メニュを説明してくれたおねえさんによると、この煮込みはピペラートと味付けが似てるので前菜にピペラートをとるのならやめた方がいいとアドバイスされた。親切である。
でもピペラート好きの我々は無視して頼んだ。


付け合せのピラフ

とらのメイン 川スズキと野菜のグリル。

予想していたより量が少なかったのでデザートとカフェを一人前だけ追加した。

タルトにかけてあるコンデンス
ミルク風味のソースは
懐かしい味で美味しかった。


腹がくちて見る窓の外の新緑はことのほか美しく見えた。(いの)
 
定食18ユーロx2 ワイン Colombelle 18ユーロ デザート5ユーロ 
水とカフェ5.5ユーロで 合計64.5ユーロ。

Auberge Etchegorry
41 rue Croulebarbe 75013 Paris
電話 01-44-08-83-51